「のび太おじいさんとジャイ子を結婚させてはならない。のび太おじいさんは会社を立ち上げ、子孫さえも逃れることのできないような大きな借金を残した。これがどういうことだか分かる?のび太はジャイ子との結婚によって変わったんだ。それこそ、天地をひっくり返すような大物に。だからこそ、巨額の資金をのび太おじいさん個人の力で動かすことができたし、会社も世界に名だたる大企業になった。でも、のび太おじいさんは、、、経営者としてはやさしすぎたんだよ。結局、最後にはめられて、責任も借金も全部負っちゃって。あの会社を丸焦げにした火事は事故なんかじゃなかったんだ。のび太おじいさんはそれを知った上で、、、。」
「それが、のび太さんが本来愛したはずの人と引きはなす理由だというの?あんなにたくさんの子宝にも恵まれて、死ぬ間際には親族が百人以上も集まったっていうじゃない。それで何が不満なの?」
「ドラミちゃん、君も分かってるはずだよ。のび太おじいさんがごく普通の人間でさえあってくれたなら、何も悲劇は起こらなかった。」
「剛田さん、だからって、自分のご先祖さまをダメ人間にするためにお兄ちゃんを送るなんて、ひどすぎるわ。火事を止めればいいだけの話じゃない!」
「な、なんですって!?」
「タイムテレビで当時の様子を見たんだ。すると、ジャイ子おばあさんが変な様子で会社に入って行って事務室に火を付けたんだ。」
「そ、そんな、、、。」
「僕だって信じたくはなかったさ。でも、僕のご先祖さまのせいで、のび君の一族が苦しめられていると思うと、僕は居ても立ってもいられないんだよ。だから、ね。協力してくれるよね。今度生まれるセワシくんのおもりとして、君とドラえもんにのび家に入ってもらいたいんだ。」
「わかったわ。」
.....
しかし、どうしても納得できなかったドラミは独自に会社丸焼け事件の調査を開始した。当時、のび太の会社が東南アジア進出に向けて日本やアジア諸国と関税の撤廃や、出入国の自由化に向けた運動を展開していた。これにより、アジア諸国が連携して巨大なアジア経済圏を形成することで、欧米列強が形成する経済圏に対抗が可能であると、アジア諸国では期待を寄せられていた。しかし、それを心よく思わない欧米列強の閣僚たちはCIAを筆頭に特別チームを編成。まず、アジア連携の先駆けとなる、野比グループのアジア撤退を目標に作戦行動を開始していた。その一方で、欧米からの妨害工作を予期していた公安9課は、日本の自衛隊内部で蔓延しはじめた新型の電脳麻薬とCIAの関係を疑いはじめる。
また、当時汎用型の重機として民間の間でも一般化していたレイバーが突然暴走しはじめる事件が多発する。特車二課は事件に対応しているうちに、暴走したレイバーに共通しているのは最近新発売されたマッハシステム社のパイナップルOSを搭載していることを突き止める。そこでOSの開発者であるスティーブンを調査するが、本人はOSがウィルスによって不正操作されていると主張。事件は行き詰まっていた。
その時、新型電脳麻薬によって錯乱状態におちいった自衛官が開発中の作戦行動用新型レイバーに乗って、夜の繁華街を暴走する。すぐさま特車二課がイングラムで対応するが、新型レイバーの前に全く歯が立たない。
その時、電脳麻薬を追っていた公安9課のチームは繁華街の監視カメラから現場を偵察していた。
[途中省略]
逮捕した自営官とレイバーを調査したところ、電脳麻薬とレイバー暴走の関連性が立証された。そしてその自衛官の麻薬入手ルートから一人の人物が浮かびあがる。それは近年、アジア諸国の連携に多大な貢献をしている大企業、野比グループ会長「野比のび太」という男だった。
[以下省略]