2007-06-28

大好きな人を、好きになってはいけない。

anond:20070628122753

"人を好きになることは、人に期待することだ"

これがそもそもおかしい、と言えたらいいと本当に思う。好きな人が笑顔でいられて、幸せでいられることが、すなわち私の幸せだ。心穏やかにそう思えるようになりたい。好きな人が選ぶ将来を、それがどんなものであれ心の底から祝福して、心の中でだけ応援する。そうなるにはどうすればいいのだろう、と真剣に考える。

気がつく。できる。しかももう普通にやっている。古い付き合いの友達。それぞれがんばっていて、あるいはがんばっていなくて、それでも幸せでいて欲しいと思う。たとえ今、どんな状態であろうと、私はあなたのことが好きだし、私のことを好きでいて欲しいと思うよ。何かを期待する訳じゃなく、本当に言える。心の底から。

そんな風になればいい。そうすればいい。簡単なこと。

そうじゃないことは分かってる。そう思える相手には、具体的な期待なんかしない。その存在自体に感謝できる。だから、遠くにいても全然問題ない。ずっと会わなくても、文字も言葉も交わさなくても大丈夫。ごくたまに思い出して、元気にやってるんだろうな、恋人できたかな、またバカやってるのかな、と思うだけでいい。何年かに一度くらい、会って他愛もない話ができればいい。近くに住んでいたって、そう頻繁には会ったりしない。

誰も一人の人間を独占なんかできない。それを求めるのは支配したいということだ。支配したいという要求を受け入れてしまうような人を、そもそも好きになれない。私が好きになる人はいつも、独りでも大丈夫な人だ。やたら人懐こくても、とても寂しがり屋でも、最後は独りでも大丈夫な人だ。自分で自分をちゃんと受け入れ、愛することが出来ている人だ。そしてそういう人の周りにはいつも人がいる。どんなに親しくなっても、相手を支配しようとしないから。そんな必要がないから。みんな安心して側にいる。

私も支配されるのはまっぴらだ。みんなそうなのも分かっている。だから、当然相手に対してもそんなことはしない。無用な期待はしない。見返りは求めない。何か嬉しいことをしてくれたら、充分に感謝して、可能な限りで何かお礼になるようなことをする。真っ当な人付き合い。だから私の周りにも人はいる。

そして、その中には自分を自分でちゃんと肯定しているから独りでも大丈夫で、だから安心して親しくなれる人がいる。だんだん親しくなって、その人の中に尊敬できる所を発見する。そういう人はそれを伝えると、少し照れながらとても素直に喜んでくれる。それがたまらなくうれしい。そして相手もこちらに敬意を持って接してくれる。気が付けば相手の存在が大切になり、できれば必要とされたいと思うようになる。なぜなら、私にとってその相手はもう必要な存在になったから。そこから、狂い始める。

共有できるものを探す。必死で。可能な限り時間を共にする。必死で。ただし、必死である事を絶対に相手に悟られないように。なぜなら、それが相手を支配したいということなのが分かっているから。私の方を見て欲しい。私のことを考えて欲しい。一緒にいないときに何をしているのか知りたい。先週の週末はどう過ごしたのか知りたい。来週の予定を知りたい。将来の夢が聞きたい。その夢に私を役立てて欲しい。無理矢理にでも。

独りでも大丈夫な人だから惹かれたのに、独りではいられなくなって欲しい。私を不可分の要素として受け入れて欲しい。現在に、未来に。だから、その幸せの定義を、俺のために書き換えろ。お前が無邪気に肯定する自分の中に俺を入れろ。お前と一緒なら、俺は独りでも大丈夫だ。そうなることをお前自らが望め。

なぜなら、お前は何者にも支配されない人間だから。俺もお前を支配したり絶対にしない。そんなことをしたら、お前はお前じゃなくなる。だから、俺を受け入れたいとお前が望め。俺を受け入れることをお前の幸せにしろ。来週の予定を教えろ、来年の予定を変えろ、将来の夢を俺が力になれるものにしろ。お前の幸せのためだったら、そのためだったら、俺はどんなことでもしてみせる。それが俺の幸せだから、そこには何の努力も要らない。たとえ今、どんな状態であろうと、俺はお前のことが好きだし、俺のことを好きでいて欲しいと思う。何かを期待する訳じゃなく、本当に言える。心の底から。ただひとつ、俺の支配を受け入れてくれるなら。

その人のことが好きなら、俺はその人を好きになってはいけない。書きながら分かってきた。俺には自分と世界しかない。俺から独立して存在し、俺に関係なく自らを肯定して存在し、俺の存在を許容してくれるように思える人物、俺がそうありたいと願ってやまない相手。俺は俺以外の全世界をその相手に投影して、それが自ら望んで俺を受け入れ、俺に支配されるよう望むことを要求する。全世界が自ら俺に屈するよう求めること。それが俺にとって誰かを好きになると言うこと。新生児が最初にあげる鳴き声のまま。「俺はここにいる。世界の全てよ、俺を受け入れろ。俺を愛せ。無条件に、俺を」



大好きだよ。何でこんなに好きなんだろう。今一番恐れるのは、君がそれに気付くこと。だから、あまり頻繁に会わない。メールも最低限。気が狂いそうになりながら、その日は都合が悪いといって断ったりする。でも、君は僕の全世界。仕事なんてどうだっていい。とうとう言葉にしてしまった。大好きだ。恐ろしい。どうか、一緒にいられる間は気付かれませんように。早く僕が君のことを好きでなくなりますように。僕のこのおぞましい感情に君が気付いてしまう、それだけは、どうか、どうか。

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