2007-03-24

謝罪

いまさら言うのもなんですけど、ごめんなさい、課長。あなたが悪いのではないのです。あなたは良い上司でした。人間的にも憎めない性格をしてらっしゃいますし、今でも多分うまくやっていけたと思います。

でも、私は疲れました。私の中の倫理観や信念を押し殺して仕事をするのに。また、精神的な支援以外が全く受けられず、実質的には孤立無援であることに。そして定年までこの心を潰す状況が続くだろうということに。15年後に会社の荷物になって無理にかじりついているのであろうという予測に。

いえ、業務内容は世間一般からすればそう悪くはありませんでした。ベストではありませんが、ワーストでもないです。ただし、私の信じている信念が青臭くて特殊で、依存心が強く、心が弱かったのです。心と業務の相性が良くありませんでした。

苦しかったのです。ものづくりのふりをしてハリボテ、フェイク、偽物を作って納めるのが。

本物を作りたかった。

でも私に与えられたリソースは貧弱なPCが一台と、大学でたての自分の頭だけでした。何をどうがんばっても、フェイクになってしまいました。私の作る貧弱なものを貧弱なものとして納めるなら、あんなに苦しくはなかった。でも大きな顔をして画期的ですと嘘をついて売りに行かねばならなかったのです。

心が痛かった。

誰かに助けてほしかった。経験豊富な、師匠に導いてほしかった。こんなものはお天道様の下には出せないと、駄目を出してほしかった。

会社を辞めたのは、心が潰れたからです。自分に嘘をついてだますのが無理になったからです。

今の会社は、あらゆる分野の師匠であふれています、課長。毎日、私は安心して仕事ができます。そういうわけなのです。

改めて申し上げます。会社を辞めてしまって大変申し訳ありませんでした。謹んでお詫びいたします。

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