あれを書いてしまった意図を、布団の中で考えてみた。
あの頃に樹海に連れて行かれたということと、こんな母の呟きを聞いたから、ずっと不安でしょうがなかったんだと思う。
『あの頃はね、「いっそ一思いにこの子を殺して自分も死のうか」と思うことが何回もあったけど、この子の人生はあたしのじゃないと思って止めました。』
我が家の人間だけが分かるあの頃は、あの頃で、それは丁度あの旅行に行った頃と同じ頃だったから、『じゃあ、あん時樹海に行ったのはなんでだったの?本当に旅行のつもりだった?本当は死にたかったんじゃないのお母さん?今は、死にたいの?生きてたいの?どっちなの?』と言えないでいたあたしがたまたま見つけた匿名で日記が書ける此処でペッと痰を吐き出したようなあんな日記を書いてしまったのは、もう溜まり溜まった不安をどんなにみにくい形でも、恥ずかしい形でも、吐き出したかったからだ。あたしの不安が尽きることなんかありはしないんだけど、吐かないと突然決壊することを知ってしまったから、あんな事をしてしまったようです。只の家族旅行だったのは分かっているんですけれど、ちょっと長いこと溜めすぎました。嗚呼そうです、あれは只の家族旅行。忘れられないこと。
あの旅行は父の計画だった。
別に樹海になんかわざわざ行きたくないあたしと母と妹は我慢してついて行った。
来たくなかったというのを堪えて、凄く愉しそうに振舞うことに気を配り続けたあたし達。
でも、とっくに疲れ果てていたあたし達は旅行の帰りに寄った大型ショッピングセンターでその振る舞いをし続けることに疲れ、本来の身勝手さを全面に出して、父が最も嫌うあたし達を思いっきり出した。
そしてその帰りの車の中で、父は叫んだ。「おまえら!そんな勝手なことでいいと思ってんのか!俺がどんなに楽しませようと考えてるのか分かってんのか!」「俺は心配だよ・・・・そんな身勝手さで社会に出ているのが・・・・」
あたし達は只黙っていた。この人に通じる言葉などありはしないと、勝手だと言われたあたし達は分かっていた。
あたしは「俺の言うことをきけ!言うことをきかないとこうなるんだぞ、嫌だろう俺にこんな風に叫ばれるのは?分かったか!」ということなんだろうなとぼんやり父の横で考えた。
『天皇、万歳!』に憧れている父は、『お父さん、万歳!』とあたし達が叫ぶことは無くても、父に尽くし、敬い尊敬する態度で接することを深く望んでいる。
なぜあの樹海の散歩道であたしは道を外してあの森へ駆け出せなかったんだろう・・・逃げ出せたかもしれないのに・・・あの頃に父を捨てていればよかったんだ。馬鹿だからまんまと父に捕らわれて逃げ出せない。
最期に、こんなほんとに自分のことばっかなことをどうして書くのかといえば、あたしにはひとりの友人もいないということで分かってもらえるだろうか。信用できる他人がひとりもいない、他人を信用してみようともしない、他人もまったくあたしを信用していない。
だからこういうことがどんなに恥ずかしく、みにくいことだと分かっていても話す相手がひとりも居ないあたしだからこうやって名前が無いことをいいことに、誰もあたしを知らないことをいいことに、誰が何を言っても意味が無いことをいいことに、此処でこんなことをした。
此処を作った人の考えを読んでいません。
ひどい間違いを犯しているんだろうな。
ごめんなさい。
別に謝る必要はないと思う。 anond:20061120125630
最期に、こんなほんとに自分のことばっかなことをどうして書くのかといえば、あたしにはひとりの友人もいないということで分かってもらえるだろうか。信用できる他人がひとりもいな.