子供の頃小学校の近くのT字路に大きなタヌキの置物があった。その置物の頭頂部にはドリルで穴が開けてあって硬貨が入れられるようになっている。自分らはそれを「たぬき貯金」と呼び、みんなお小遣いを貰うとこぞってたぬき貯金をしていた。
たぬき貯金は「フジモトさん」というおじさんが管理していて、たぬきの置物に硬貨を入れたら事後申告でフジモトさんに報告することになっていた。たぬき貯金の近くに埋め立てた釣り堀があって、そこは底なし沼になっていてフジモトさんの息子が飲み込まれて行方不明になったと噂されていた。
先日ひさしぶりに小学生の頃住んでいた街に立ち寄って、たぬき貯金や底なし沼の場所にも訪れたのだけど、跡形もなく整備され綺麗な街並みに変わっていた。