「ええの?」
「ええよ、ようけ食べ」
「ありがとう、おばさん」
「持って帰ってもええんよ。おばさんち、いっぱいあるから」
「ほんまに!?じゃあもらう!」
「じゃあ袋に入れとくから、持って帰り」
「ありがとう!嬉しいなあ、お母さんもこんな甘いみかん食べたら喜ぶやろうなぁ」
「・・・お母さん、元気にしとる?」
「え、うん、してるよ」
「そう、ならええんや。ほら、じゃあこれ」
「気をつけて帰るんよ」
「どないしたん?」
「・・・なんでもおばさんに言って。力になるよ」
「え?」
「ごめん、嘘ついてた。わたし、全部自分で食べたいなって思って、嘘ついた。ごめんなさい」
「ううん、ええんよ、全然気にせんでええ。ほら、暗くなるから、またね」
「さよなら」