2018-10-09

心理学における査読論文価値と現状の問題

ブコメにフォーマットに沿ってほしいという要望があったので、文意を変えないようにフォーマットに合わせてました。また、ですます調に変えました。最初のバージョンも末尾に残しておきます(10/11 12:39)。

https://anond.hatelabo.jp/20181010122823の流れに乗って、心理学について書いてみます。

はじめに

心理学は大きく分けて以下の2つに大別されます。

  • 基礎心理学(知覚・学習・認知・パーソナリティ・社会など)
  • 応用心理学(臨床・教育・健康など)

これから書くことは概ね、すべての心理学に当てはまると思いますが、臨床心理学はやや特殊なので割愛します。

また、私見に満ちている文章なので心理学者からも異論反論あると思います。なお、筆者は一応、基礎系心理学の博士号を持っています。

論文事情

はじめに

心理学は日本語論文も英語論文も書きますが,結論から述べると、論文については概ね以下のような扱いです。

査読付き英語論文>>>>査読付日本語論文>>査読なし日本語論文(いわゆる紀要;査読有り紀要も含む)

さらに、査読付き英語論文においても以下のような差があると思います。

APA系や伝統的な雑誌(JPSPとかJEPとか) >それ以外のIF2以上の雑誌 > IF1以上の雑誌 >= オープンアクセス誌(FrontiersとかPlosOneとか)>> 怪しい雑誌(Predatory Journal疑惑があるもの)

日本語論文について

基本的には査読付英語論文がもっとも価値があり,ついで、査読付の日本語論文となり、査読なし日本語論文は一番扱いが低いです。

その背景として、心理学は(一応は)実証科学であるため、査読という第三者の視点から見て了解できる議論・データを示すことが求められているからだと思います。

特に理論的寄与と方法的妥当性については重視しており,それを専門家の第三者が審査することが大事だからでしょう。

そのため、査読なし日本語論文の多くは査読で落とされた論文であることが多いです。

実際に査読をする中でも、掲載できない論文(リジェクト判定)に対しては「掲載はできませんが、紀要などへの掲載の参考に以下のようにコメントいたします」という趣旨のコメントを書く場合があります。

したがって、査読なし日本語論文というのは(言い方は悪いが)質としては落ちるものが多く、石が多い玉石混交だと言えます。

紀要論文を卒論の参考にして行い、元論文がイマイチなので色々な面で苦労するというのはよくある悲劇の1つです。

日本語論文と英語論文

また、日本語論文と英語論文の差についてですが、心理学は元々のはじまりがドイツであり欧米諸国で発展した学問です。

そのため、重要な理論の大半は海外の研究者によって提唱されています。したがって、日本語論文を書く場合でも半分以上は英語論文を引用して書かれることとなります。

また、規模としては海外の方が大きいので英語論文にすれば海外の心理学者にも知見が伝わるため、心理学全体への貢献度も高いと判断されます。

そして、英語論文で書く場合には引用してる研究者(場合によっては理論の提唱者)が査読をする場合もあるため、論文の質が高くなければ掲載に至らない可能性もあります(レベルが高い雑誌に限る)。

英語論文の詳細

英語論文でも雑誌のカラーがあり、一般誌と専門誌に分かれています。一般誌は心理学全般について載せる雑誌でジャンル不問です。

専門誌は特定の分野(認知心理学メインなど)や特定のテーマ(学習メイン、感情メインなど)について載せる雑誌です。

一般誌の方が広い読者層を対象としているため、多くの心理学者が読む価値のあるインパクトのある論文が載る傾向にあります。

専門誌は専門誌で、その分野に関する深い議論や分野に特化した重要な知見が載る傾向にあります。IFは前者の方が高いです。

ちなみに、意外かもしれませんが、心理学でもNatureやScienceに論文が掲載されることもあります。非常に難しいため、普通は出そうとも考えませんが…。

IFについては2を越えれば十分に良い雑誌であり、1を越えていれば問題はないと判断されます。

0.5以下になってくると後述する点も関連しますが大丈夫かな?と思います。

まとめると、怪しい査読付英語論文よりも査読付日本語論文の方がよいという印象です。

英語論文における問題

このように、英語論文は日本語論文よりも重きを置かれていますが、英語論文に限っては最近はオープンアクセス誌とPredatory Journalが問題となっています。

オープンアクセス誌というのは、お金を払って論文を載せてもらう代わりに全世界に無料で公開されるという雑誌です(普通の雑誌は買わないと読めない)。

さらに、大抵のオープンアクセス誌はオンラインだけの雑誌です。そうなると、ほぼタダで論文をいくらでも掲載できるわけなので、掲載料稼ぎのために微妙な論文でも載せようとするというのは想像できるでしょう。

もちろん、何でもいいからと載せると雑誌の質が問われるのでそんなことはないと思います。ただ、最近は日本人はかなりオープンアクセス誌に載せる人がかなり多いです。

他の人はどうかはわからないが最初は自分の憧れの雑誌やいい雑誌に論文を投稿するのが多いはずなので、雑誌では掲載不可だった論文がオープンアクセス誌に載ることなりやすいはずです。その結果、玉石混交状態になっています。

元々、オープンアクセス誌は「方法などに問題がなければ掲載して、あとは読者判断に任せる」というスタンスなので、オープンアクセス誌の趣旨としては間違っていないと思います。

ただ、オープンアクセス誌への掲載が目的化しているのが問題です(その背景には英語論文>日本語論文という価値観がある)。

さらに、もっと深刻な問題なのはオープンアクセス誌の中でもマイナーなものにはPredatory Journalという詐欺雑誌が含まれていることです。

これはまさに掲載料を得るためだけにまともに査読をしないで掲載を決定するような雑誌です。Predatory JournalにはIFがついていないことが多い(ついていてもかなり低い)ので、あえてここに出そうという人は普通はいません。

ではなぜ日本人の論文がこのような雑誌に掲載されるのでしょうか?それは博士論文提出の要件に英語論文を求めている大学があるためであす。

どこでもいいので英語論文を載せたい人と掲載料が取れれば何でも載せたいPredatory JournalのWin-Winな関係のできあがりというわけです。

いまはまだ大きな問題にはなっていませんが、将来的にはPredatory Journalの情報が共有されていき大きな問題となるでしょう。憶測ですが、現在のPIの中に論文をPredatory Journalに載せてしまっていて他者を批判できない人がいるからかもしれません。

この問題は心理学に限らず、科学全体の問題として最近は注目されているので知ってる人も多いかもしれません。

個人的にも、学振目当てや博士号目当てとして知り合いの院生とかがクロ疑惑のある雑誌に掲載しているのをたまに見ると残念な気持ちになります。

一方で学振や学位に審査においてフェアでないのも良くないなと思うし、長い目で見ればこのような雑誌への掲載のしっぺ返しがくると思います。

業界事情

博士号は取るのが普通(になりつつある)

実は心理学は文学部に属していることが多く、昔は人文系のように博士号を取らずに就職するというのが当たり前で、博士号というは一生の仕事の集大成という形でした。

その一方で、近年は心理学が文学部以外(情報系など)にも属することが増え、分野全体として博士号を持つことが研究者の第一歩として必須になりつつあります。

そのため、最短ではDに入って3年で(かかっても5年で)博士号を取ることが一般的になってきています。

非常勤(アルバイトですね)をするためにも博士号が求められることも増えてきています。この流れのため、前述したPredatory Journalやオープンアクセス誌の問題が出てきているわけではありますが・・・。

臨床心理学だけは特殊

「はじめに」のところで臨床心理学は特殊と書きましたが、臨床心理学は精神分析に代表されるような派閥(力動論)と認知行動療法に代表されるような派閥があって、両者で考え方がかなり違います。ちなみに河合隼雄は分けるとすれば前者の方ですね。

筆者は臨床心理学の人間ではないので誰かに補足してほしいのですが、後者の認知行動療法系の人は査読付論文を重視していると思います。

臨床心理学では事例研究といって、1クライエント(精神的に不健康な人)の回復過程をまとめる論文が書かれる傾向にあるのですが、この事例研究の立ち位置が門外漢にはわからないのです。

個人的には、心理学においては客観的なエビデンスを蓄積が重要だと考えているので、事例研究には物語以上の価値はないのではと思いますが・・・。

再現性問題

ご存じの方も多いように心理学(というか社会科学全般?)に再現性問題がホットトピックになっています。社会心理学は3割しか再現できなかったという話もあります。

3割というのは、コイントスで裏がでる確率よりも悪いということですね(割合と確率を一緒にするなと怒られそうですが)。方法が厳密な知覚心理学,学習心理学,認知心理学などの実験系はもっと再現性は高いです。

社会心理学が足を引っ張っているのに、心理学全体の問題として話が大きくなっているのはなんだかぁという気もしています。

最近も社会心理学で人の目(イラストでも可)があると向社会行動(募金など)が促進されるという研究には再現性がないと原著者が認めて話題になりました(認めたことは良いことだと思います)。

再現性問題については心理学者で危機感を持っている人もいますが、知覚や認知という実験系の人はあまり気にしていません。気にしてないというよりは、方法が堅いので(社会心理ほど)現状はそこまで問題にならないからでしょう。

---最初のバージョン---

https://anond.hatelabo.jp/20181010122823の流れに乗って、先日心理学についても書いたので少し補足して再投稿してみる。

 最初に断っておくと私見に満ちている文章なので心理学者からも異論反論あると思う。最近、社会学での査読論文の扱いが話題になってるが、社会科学という同じ枠組みで近接領域の心理学についての事情を書いてみる。ただ、心理学といっても様々な下位領域があって、特に臨床心理学は独自文化があるので、主に基礎系と呼ばれる心理学について書く。基礎系に入るのは、認知心理学、社会心理学、学習心理学など。なお、筆者は一応、基礎系心理学の博士号を持っている。

 結論から述べると、論文については概ね以下のような扱いだと思う。

査読付き英語論文>>>>査読付日本語論文>>査読なし日本語論文(いわゆる紀要;査読有り紀要も含む)

 さらに、査読付き英語論文においても以下のような差があると思う。

APA系や伝統的な雑誌(JPSPとかJEPとか) >それ以外のIF2以上の雑誌 > IF1以上の雑誌 >= オープンアクセス誌(FrontiersとかPlosOneとか)>> 怪しい雑誌(Predatory Journal疑惑があるもの)

注:心理学ではIFが2以上あれば2流以上の雑誌(それらの雑誌の掲載は他人に貶められることはまずなく褒められることが多い)。


○説明

 まずは、最初に書いた日本語論文における査読の有無の差について書く。基本的には査読付英語論文がもっとも価値がある。ついで、査読付の日本語論文となり、査読なし日本語論文は一番扱いが低い。その背景として、心理学は(一応は)実証科学であるため、査読という第三者の視点から見て了解できる議論・データを示すことが求められているからだと思う。そのため、査読なし日本語論文の多くは査読で落とされた論文であることが多い。実際に査読をする中でも、掲載できない論文(リジェクト判定)に対しては「掲載はできませんが、紀要などへの掲載の参考に以下のようにコメントいたします」という趣旨のコメントを書く場合がある。したがって、査読なし日本語論文というのは(言い方は悪いが)質としては落ちるものが多く、石が多い玉石混交だと言える。紀要論文を卒論の参考にして元がイマイチなので色々な面で苦労するというのはよくある悲劇の1つだ。

 また、日本語論文と英語論文の差についてだが、心理学は元々のはじまりがドイツであり欧米諸国で発展した学問である。そのため、重要な理論の大半は海外の研究者によって提唱されている。したがって、日本語論文を書く場合でも半分以上は英語論文を引用して書かれることとなる。また、規模としては海外の方が大きいので英語論文にすれば海外の心理学者にも知見が伝わるため、心理学全体への貢献度も高いと判断される。そして、英語論文で書く場合には引用してる研究者(場合によっては理論の提唱者)が査読をする場合もあるため、論文の質が高くなければ掲載に至らない可能性もある(レベルが高い雑誌に限る)。

英語論文でも雑誌のカラーがあり、一般誌と専門誌に分かれている。一般誌は心理学全般について載せる雑誌でジャンル不問である。専門誌は特定の分野(認知心理学メインなど)や特定のテーマ(学習メイン、感情メインなど)について載せる雑誌である。一般誌の方が広い読者層を対象としているため、多くの心理学者が読む価値のあるインパクトのある論文が載る傾向にある。専門誌は専門誌で、その分野に関する深い議論や分野に特化した重要な知見が載る傾向にある。IFは前者の方が高い。ちなみに、意外かもしれないが、心理学でもNatureやScienceに論文が掲載されることもある。非常に難しいため、普通は出そうとも考えないが…。

 このように、英語論文は日本語論文よりも重きを置かれているのだが、英語論文に限っては最近はオープンアクセス誌とPredatory Journalが問題となっている。オープンアクセス誌というのは、お金を払って論文を載せてもらう代わりに全世界に無料で公開されるという雑誌だ(普通の雑誌は買わないと読めない)。さらに、大抵のオープンアクセス誌はオンラインだけの雑誌である。そうなると、ほぼタダで論文をいくらでも掲載できるわけなので、掲載料稼ぎのために微妙な論文でも載せようとするというのは想像できるだろう。もちろん、何でもいいからと載せると雑誌の質が問われるのでそんなことはないと思う。ただ、最近は日本人はかなりオープンアクセス誌に載せる人がかなり多い。他の人はどうかはわからないが最初は自分の憧れの雑誌やいい雑誌に論文を投稿するのが多いはずなので、雑誌では掲載不可だった論文がオープンアクセス誌に載ることなりやすい。結果として玉石混交状態になっている。元々、オープンアクセス誌は「方法などに問題がなければ掲載して、あとは読者判断に任せる」というスタンスなので、オープンアクセス誌の趣旨としては間違っていない。ただ、オープンアクセス誌への掲載が目的化しているのが問題だろう(その背景には英語論文>日本語論文という価値観がある)。

 さらに、もっと深刻な問題なのはオープンアクセス誌の中でもマイナーなものにはPredatory Journalという詐欺雑誌が含まれていることだ。これはまさに掲載料を得るためだけにまともに査読をしないで掲載を決定するような雑誌である。Predatory JournalにはIFがついていないことが多い(ついていてもかなり低い)ので、あえてここに出そうという人は普通はいない。ではなぜ日本語論文がこのような雑誌に掲載されるのだろうか?それは博士論文提出の要件に英語論文を求めている大学があるためである。どこでもいいので英語論文を載せたい人と掲載料が取れれば何でも載せたいPredatory JournalのWin-Winな関係のできあがりである。いまはまだ大きな問題にはなっていないが、将来的にはPredatory Journalの情報が共有されていき大きな問題となるだろう(憶測だが、現在のPIの中に論文をPredatory Journalに載せてしまっていて他者を批判できない人がいるからだろう)。この問題は心理学に限らず、科学全体の問題として最近は注目されているので知ってる人も多いかもしれない。個人的にも、学振目当てや博士号目当てとして知り合いの院生とかがクロ疑惑のある雑誌に掲載しているのをたまに見ると残念な気持ちになる。一方で学振や学位に審査においてフェアでないのも良くないなと思うし、長い目で見ればこのような雑誌への掲載のしっぺ返しがくると思う。

記事への反応 -
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          • 何で社会人文がぶん殴られるか、て言うと、ソーカル事件をきちんと処理してないからだよ。 何かあるたびにあそこに戻る。スター哲学者やら思想家やらがホイホイのっかって騙されて...

            • そーかるそーかるってお前某D社のC++エバンゲリオンかよ

            • ソーカルに対しては批判的だけど衒学的なのは改めなくちゃねってことで処理しましたよ、って言っても納得しないでしょ。

              • つか内輪で勝手に処理して解決したことにしてんじゃねーよって話だから ちゃんと第三者が見てもわかるような形でやれってことだよ

            • 社会学は内容が人智を越えて反証不可能性を失ったんだよ 脳に直結するAIが登場するまでこのままだよ(適当)

            • baikoku_sensei あんまりSTAP細胞のこと言わないで欲しいんだけど・・・ STAP論文は査読で見抜くことの困難な実験の中身に問題があったのであって科学用語をデタラメに並べ立てた無内...

          • いや、社会学学会に参加してたり博士論文取ったりしてるやん。それ排除しないと、意味ないよ。自分の学問からうんこ垂れ流してる証拠そのままでこっちに来ないでなんて言われても...

          • 「正直もう本当にうんざりなんだけど,お気持ちフェミニストを殴りたかったらお気持ちフェミニストをピンポイントで殴ってほしい.社会学批判とか始めるならネット上の断片的な社...

            • 増田やん、それお気持ち男性じゃね?

              • 元のツリーから読み込んでくと、そうかどうか結論出してここに言及するにはもうちょっと時間がかかると思う。

                • 俺はフェミニズムは運動だと思ってて社会学と重なる部分はあるとおもうけど、基本的には「自分がどんな社会を望むか」だという運動だとおもうよ。

            • 同じツリーにこんなのもあった。 「ぶっちゃけ話をすると,私はこれまで「別に査読はなくてもいいだろ」という話を延々としてきたのだが,ブコメやらtwitterやらで文系擁護派の一部の...

          • なんかまたキズナアイバッシングで名を馳せた先生が燃えてますね. 千田有紀「「女」の境界線を引きなおす:「ターフ」をめぐる対立を超えて」(『現代思想3月臨時増刊号 総特集...

      • 腹話術長すぎw

      • (cf. http://synodos.jp/society/19195) 北村紗衣、こいつWezzyなんぞに投稿してるカルト宗教家じゃん

      • 社会学は他の学問と比べても分野内の差異が大きすぎるんだよなぁ。 ゲーム理論を援用して数理モデルを構築する者、RやPythonを使って統計モデリングを行う者、 教区簿冊や宗門人別改...

      • 人文学と社会科学か。社会科学のほうが科学なのに怪しさが入り込む余地がある気がしてしまうのも奇妙だが、哲学とかだと論理的な議論はあっても「正しさ」を決めることはできない...

        • 理系でも教授の贔屓やコネはないわけじゃないけど論文数(あるいは引用数)で無能認定する仕組みは馬鹿の排除には有効なんだよ(捏造の動機にもなるけど)。 論文数で無能認定は...

          • 文系は査読が怖いからやりたくない、のが本音じゃないのかw 「AはBであるから、AでなければBではない」と強弁するのが文系のトップだからね 「請求の原因を正当なりとする判決は 上...

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          • 文系の翻訳に対する感覚の話、ブコメにちょっと反応してみる。 何が書いてあるか、誰が書いているか、の違いか|文学作品ならそら後者やろうけど、技術書や理論論文で後者重視し...

            • このへん、文学研究と経済学研究とのあいだの感覚の違いだよねえ。 文学研究、というか人文系のあいだには 翻訳は原典ではない(「翻訳の研究」をするような場合を除く) 作品の...

              • 単に仕事のスピードだけではなく経済学の専門的な知識を有しているかどうかも考慮した人選でしょ フランス語で書かれた専門書を翻訳する際に当該分野の専門知識を有する人間に英語...

                • フランス語で書かれた専門書を翻訳する際に当該分野の専門知識を有する人間に英語からの重訳をさせるよりも 当該分野は素人でもフランス語の翻訳家に原書を訳させる方が適切な...

                  • やっぱ人文って経済学とくらべておままごとなんやなって

                    • 山形の重訳の問題点は指摘できないけど、とにかくワシのムラでは掟破りなんじゃ!だからムカついたんじゃ!とかいうしょうもない結論になってて呆れた

                      • だいたいどうせ自分のお仲間がやる分には何重訳でも許容しちゃうの目に見えちゃってんだもんなあ

                  • その相場感や人文系の感覚というのは粗悪な翻訳が行われることに対する懸念に由来するものだろうが しかし人選を批判する北村も翻訳の内容に対する具体的な批判はできておらず、山...

                    • その相場感や人文系の感覚というのは粗悪な翻訳が行われることに対する懸念に由来するものだろうが もちろんそれもあるけど、質じゃなくて規範の問題なんだよね。マトモな研究や...

                      • つまり人文村の独自ルールを外の人間に押し付けてくるヤバイ人間ってコト!?

                      • 「重訳だけど正確な訳だし……」っていうのは、「査読されてないけど面白い論文だし……」って言われてるみたいな感じ。 「正確」と「面白い」を同質の評価とするのはヤバすぎで...

                      • 人文知は社会科学や自然科学に優越するから、結局今回の案件では出版社も素直に人文学の先生の苦言を受け止めて方針転換した方がよさそう。 Phってなんで哲学がついてるのか改めて...

                  • 結局、21世紀の資本を文学として読むか技術書として読むかの違いなのだろうね。 文学として読むなら、原著にあたりながら細かなニュアンスまで可能な限り訳すべきとなるから、重訳...

                  • ちなみにその主張は典型的な文学至上主義としてここしばらく(といっても10年以上)Translation Studiesではそれなりに問題視されていたりする。

                    • 無駄に山形氏の知名度があって出版業界が彼に依頼して市場独占してるって理解で合ってる?

                      • 逆の話。Translationを文学メインのものとして考えてる、ってこと。 原典であるかどうかは本来研究者の研究に対する振るまいの話であって、翻訳がどういう投影なのかを含めての領域に...

              • そもそも、ピケティの本はフランス語版が「原書」なのかね。 経済学者なら、普通は英語版の方に力を入れて書くと思うんだよな。 仮に本人以外の英訳担当者がいたとしてもそれは英語...

                • ピケティ、まずはフランスの知識人だから、そりゃフランス語が原書でしょ。フランスの知識人は著書をフランス語で書くことが多いよ。思想とかそういう分野ではフランス語はまだ全...

              • 今回のような学術書の場合はフランス語に堪能で且つ経済学に明るい人でないと、すごく問題がある訳になってしまう可能性がある。フランス語と日本語の対応しては完全に正しくても...

              • 山形浩生は多くの重要な経済学系書籍の翻訳実績があるから、トータルで見ても山形浩生が適任だったということだろ。 文句付けてるのは経済学素人の奴ばかりで、経済学専門の人ほど...

                • この程度のことを知らないで首を突っ込んでいるのがいるんだろうかと思うが、ついたトラバをみるともしかするとそういうこともあるんだろうな。

                • わかる、オレも山形氏を初めて知ったのはクルーグマン教授の流動性の罠の翻訳だったからな。 あれが日本の停滞を見事に説明していて、それにいち早く目を付けて翻訳した山形氏の有...

            • >文系が大事にしているのは「文章それ自体」であって、文章それ自体を忠実に原語から訳すことが重要である、というのが文系の考え方。 いや正にそれが文脈を読むということであり...

              • 文章それ自体が重要なら、人間と区別のつかない精度のAIと人間が文を書いたとして、AIの側が人間と同等の評価をされないとおかしいけど、現実はそうなってないよね

                • いまでもタンパク質の構造解析とか計算機が弾き出したのを論文にしたりしてるからね 自然科学を言語で記述するとき、語られる物理世界の現象および法則のイデアは物理空間にあるの...

            • まあ著書が論文と同等に実績と評価される分野ではそうなんでしょうねとしか で、この論文が形式上査読なしであることに特段の問題はないですよね。だって研究結果が間違ってるわ...

            • 改訳を出せるわけでも誤訳の指摘ができるわけでもない人の 僕が私が考える理想の翻訳論に付き合ってあげるほど著者も訳者も出版社も読者も暇ではないという感想しかない

          • 「何をするにあたって」原典にあたるという当然の事を重要視するか、って話ではあるよね これメチャクチャ思いました。過去の査読云々の論争を思い出しちゃいましたよ( anond:2018100...

            • 数学で公理を使用する場合、まず原典の論文を読むこと!

      • 今に至るまで因習を是正できなかったダメ学問である証言を長々とありがとう 学問の国際標準化とやらをこちらに散々強制しておいて自分のところは安全圏でのほほんとだらけてたとい...

      • ふむ、評価の手法も多様性があり、画一的な評価方法は却って学問の自由を阻害するというのはわかった。 で、あの千田とかいう頭のおかしいヤツが社会学者ヅラして教授でござい、...

      • はぁ?????? 俺はさんざん怒ってきたよ!!!!!! コミケだって夏冬3日間ずつ参加しとるわ!!!!!! 味方を撃ってんじゃねえって言ってんだよ!!!!!! 増田で...

      • 色々と勉強になったし、分野ごとに評価の基準も様々ある事情や理由もわかった。 ただ、やはり理系の学問でよくあるように仲間内での評価と論文誌ベースでの評価の両建てとなるよう...

      • この説明を読んで文系は論文の正確性が担保されていない、信頼性が低いとか言ってるのは何を考えているのだろう。 例えば学士助手は、「学内でみっちり審査する」ことで正確性や信...

      • 法学:ほぼ実務に即するので、最高裁判決を頂点にある程度の客観性は担保されてる。ただ、憲法学は宗教論争化しており、政治学側からの批判が多い。海外の考え方を持ち込む意欲は...

        • 追試ができないことが問題っていうけど じゃあさ仮にAIや計算科学の発展で社会をシミュレーションすることができるようになって追試が可能になったとして このあいだの40代独身が日...

        • 逆に日本の考え方を海外に発信しようという気概はほぼない 途上国において未整備の法律を立法する際に日本の法律を参考にする、みたいなことはあって(例えばこの間台湾著作権法...

      • 肝心の千田が教授として不適格かつその不適格性を見抜けてない社会学の査読その他の評価体制に係る妥当性について完全に無視を決め込む詭弁の集大成、 と思ったのだがブクマの反応...

      • Dragoonriders まあ、こうして知見が溜まるのは、素朴な疑問って大事だよな、と言っておく。疲れると思うが存分に書いていただきたい。 単に文系アカデミアでのキャリアパスを聞かれ...

      • 博士課程単位取得退学 理系にも博士課程単位取得退学はいますよ。東京大学だと、博士課程に進学して、授業の単位を一コマ分取ればこの肩書を得られます

      • ■公取委「クッキー規制検討」報道を読む あなたにも他人事じゃない   今、エンジニアの個人情報をウェブ上から勝手に集め、勝手に履歴書サイト作っている個人格付けサイトが現れ...

      • なんで理系の査読を攻撃しだすのか本当にわからない

    • http://dlit.hatenablog.com/entry/2018/10/10/080521 https://anond.hatelabo.jp/20181010122823 私もこの流れに賛同したので続きます。私は博士課程の学生なので、多少間違いがあるかもしれませんが、大筋は合...

      • 良いまとめだと思う。ただレンダリングがスタープレーヤーかって言うと、うーんって感じになる。アニメーションの研究は結果が一発でよく分かるのに対して、レンダリングは主流に...

      • 結構よくまとまっているとは思うんですけど、博士学生だからか少し偏りがあるので、もし参考にする学生が居たときのために、少し補足させてください(ちなみに私は本職です)。 分...

    • どうでもよいことなのですが、「情報系では」は主語ではありません。ただ、主題ではあるかもしれませんね by 情報系の自然言語処理の博士号取得者。

    • 「素粒子論では査読が重視されていない」というのは Empirical Science である Physics の一分野であるにもかかわらず Empirical な Evidence と結びつくのは査読のだいぶ後で、査読でチェックされ...

    • 周りに現象論の人が多かったですが、修論で教員メインの論文に少し関わって共著で一本、博士課程の間に同じ感じでもう一、二本出しつつ博士論文までに自力のものを一つ出す、くら...

    • 分野名として使うときのLatticeは、ほぼ計算機シミュレーションのことを指すことは触れておいたほうがいいかも。 計算機とは関係なく場の理論の格子離散化を研究している人はいますが...

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