勤め先の勤務部署の仕事柄、いろんな会社と一緒に仕事をしたりすることがある。(どんな企業と一緒にやるかはぼかさせてほしい)
だいたい、そういう仕事を始めるには最初にプレゼンなんかをしてもらうわけで、まあ、今までにいろんな業種のいろんな会社にプレゼンをしてもらっている。たぶん、ゆうに100社はやってもらっている。
で、それでわかったことをほんの少し。
プレゼンってのはだいたい、2,3社、へたすると7,8社くらいに同じ案件について、どのように仕事をしてもらえるのかってのを話してもらうわけなんだが、意外とそこで大きく差が出たりする。
ま、そんなのは社会人だったら、誰だって経験はあるだろう。やる方もあるだろうし、受ける方もあるだろう。
で、そんな中で1社選ぶわけなんだが、その1社に決めた後が面白い。
面白いのは、断る会社に電話なり、メールなり、直接会うなりして連絡するとき。
だいたいの会社は「弊社のどこが悪かったですか」みたいな聴き方をしてくるので、まあ、どこどこがどうで、とかできるだけ真摯にでも、嘘も織り交ぜながら答えるわけだ。だって、全部話すと決めた会社の手の内までばれちゃうじゃん。
そうすると「うちの○○戦略や○○システムには絶対に自信があって、再考をなにとぞ」みたいなことを言ってくることがままある。
まあ、何のかんのいいながら、断わるわけだ。
でもって、決めた1社(A社としとこうか)との仕事が始まって、それが何らかの形になったりして、表にでたりするわけだ。
まあ、最初から全部うまくまわるわけもなくて、いろいろトラブルがあったり、売り上げとか稼働率とかがうまくいかなかったりすることもあるわけだ。
そうするとしばらくして、件のプレゼンで負けた会社(B社)が来たりする。
で、「A社さんとの△△うまくいってませんよねえ」なんて言ったりする。
「まあ、まだ色々トラブルがあったりしてねえ」と僕も答えると、そこでドヤ顔を決めながら、B社の人間はいうわけよ
「先日、プレゼンさせていただいた弊社の○○システムなら、そういう課題は全部解決させていただきます。△△で問題となってるあれこれは、云々カンヌン」
で、今までの○○システムとか○○戦略とかいうやつをちょこっと手直ししたやつを、もう一回説明してくる。
たぶん、こいつら、腹の中では「だーかーら、うちが正しかったんだよ、ほれ、もう一回説明してやっから、とっとと非を認めて乗換えやがれ」って思ってるんだろうなあと、そのドヤ顔プレゼンを聞くわけよ。
まあ、そんなプレゼンで覆るわけもなくて、「でも、」○○じゃ、A社の△△で出来てた××に対しては対応できませんよねえ」なんて言うと、それはそれ、これはこれなんていいながら、また、なにとぞーとか、言って帰っていく。
で、結局、こちらとしてはA社とコツコツと仕事をチューニングさせていくってのが、普通の対応。
でも、負けた会社でも違うことをしてくる会社がある。C社としよう。
最初はおんなじ。
「A社さんとの△△うまくいってませんよねえ」なんて言ってくる。
「まあ、まだ色々トラブルがあったりしてねえ」と僕も答えると、そこからが違う。
「そこで、ちょっと考えてみました。何が問題になってて、どうすれば解決できるかを」なんつって、前回とはまーったく違う切り口を作ってくる。
しかも、その切り口は今やってるA社とのシステムだったり、戦略だったりを上手く使いながら、いわば、部分対応的に問題を解決するというやり方。
で、だいたい、こういうプレゼンをしてくる会社は、よくできたシステムとか戦略を作ってくるので、案外採用することも多い。
もちろん、A社の方もそのまま運用し続けるので、全然問題はなくまわったりする。
そういうC社はだいたい、その後も自分が作った切り口をもとにガンガン攻め込んでくる。
で、気が付いたら、A社に発注してた案件の年間費用のうち結局、半分近くがC社に払われるようになったりする。
で、そうすると次のプレゼンの時には、結局、A社じゃなくてC社が勝ったりするわけだ。
そういうC社みたいな会社、昔は欧米の会社よりも日本の会社に見られたような気がする。
欧米の会社は、あまりそういうのには興味無くて、一撃必殺みたいなやり方が多かったように思う。
だから、B社みたいにぐちぐちとは言ってこない。次のプレゼンの機会を待ってるような感じ。
でも、今は日本の会社は逆にC社みたいなのをやってこなくなった。
中国、韓国に限らない。台湾やシンガポールやタイやインド、マレーシア、とにかくアジアのやつらはねちっこく仕事を取ろうとする。
そのために手を変え品を変えを怠らない。
もちろん、一つ一つの戦略だのシステムだの企画だのは、まだまだ稚拙だったりする。
でも、B社みたいなのばっかりになった今の日本の会社よりも、一緒に仕事をすると圧倒的にきもちよい。
ちなみに、日本でもずっとC社みたいなことをやってくる会社も、もちろんある。
ま、やめとこう。
わかる人には多分、わかるはず。