2009-12-20

よくレイプセクハラは「被害者主観で決まる」とか言われるけど

おかしくね?という話。

犯罪に限らない話だけど、論点を絞るために犯罪という前提で。

いわゆる「個人的法益」に関する犯罪なら、ほとんど全部、被害者が最初から許していたら、そもそも犯罪にならない。例外は、殺人(同意殺人自殺幇助犯罪)や、判例が悪質な傷害は被害者の同意があってもダメと言っているくらい。あと、「最初から」というのがひとつポイント親告罪/非親告罪参照。

店主が初めから「あんたはその商品持っていっていいよ」ということになってたら、万引き窃盗)にはならない。高価なツボを壊したって、持ち主が「やっちゃって」と言っていたら問題ない。詐欺だって、「そもそも騙されてない」と言い張ったら、未遂での立件すら難しい。

結局、「相手の嫌がることをしてならない」「相手が本当は嫌がっていた場合、『OKだと思ってた』という言い訳はきかない(場合がある)」というのは、性犯罪に限ったことではない。およそ世の中、個人で処分可能なものは、「被害者主観」で決まると言ってしまって差し支えない。

だから、あたかも性が絡んだ場合にだけそれを強調する人は、「頭が悪い」または「自分卑劣な行為or思想の正当化のためにミスリードを謀っている」と評されても仕方ない。

 

よくある「セクハラに関する談義」に即していえば、「でも、相手が若くていい男だったら、胸だの腰だの触ったってセクハラにならないんだろ?ずるいよな?げへへ」とかいう奴がいたら、「ずるくねーよ。世の中、何だって不公平なんだよ。不公平だからって、相手が確実に許してるという確証もなしに、完全に身も心も委ねてる相手にしか許すはずのない行動に出る奴は基地害。」と言ってみよう。

いや、言う必要はないけど。そういうふうに思って、「馬鹿だなあ」と眺めておけばいい。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん