某企業は最近、自らが著作権を保有する作品の動画投稿サイトへの不法なアップロードも積極的にオフィシャル認定し、宣伝媒体として活用するように方針を変えたらしい。
なかなか面白い試みだなと思っていたら、知人はもの凄く不機嫌な顔をしていた。
彼は以前から、その企業のアニメ番組の本編、オープニングやエンディング、キャラクターソングなどを積極的にアップロードしている人だった。
そんな中、とある番組のオープニングやエンディングを世界の誰よりも早くきれいな画質で動画投稿サイトにアップロードした所、ものの一日と経たずにオフィシャル認定されていた。
「それは随分と名誉な事じゃないか。」
「もうアニメそのものを見るのをやめたよ。あの会社のものに限らず、ね。」
「それは何故?」
と私が尋ねると、彼はマシンガンのように自らの怒りを吐き出し始めた。
興奮状態だったため話自体は支離滅裂で冗長なものだったが、要約するとこんな感じらしい。
なんだろう。万引きしたはずの商品が実は試供品でしたみたいな?
それで足を洗えたのならいいんじゃないだろーか