2008-06-28

ある凡人の一日

僕は異性を本気で好きになったことはない。

むろん、彼女の「か」の字もない生活。

まぁよく言うが、人生とはわからないもので、

そんな僕にも唐突にやってきた。

今でも忘れないあの地震を彷彿させるように、

それは一気に僕を突き上げた。

まさにそれは自然現象

顔は知っていたがつい最近までまったく仕事で関わりがなかったが、ひょんな事から一緒に仕事をすることになった一人の異性。

元々かわいい子であることは知っていた。より密に仕事をするようになって、細かいところから表面的なところまで魅力を感じるようになり、僕の感情はまるで乾いた土に水を施したように、彼女の行為すべてを受け入れ一瞬のうちに好きになっていた。

そうなると、乾いた土はより水を欲し、普通仕事の会話をするだけではどうしょうもなくなるのは目に見えるほど。

気づいたら頭で考えるよりも即行動。ダメもとでなりふり構わず夕飯に誘った。

意外に、彼女は誘った事に思いのほか喜んでくれて、逆に拍子抜けしてしまったのは言うまでもない。

軽くお酒を飲みながら食事をしていると、改めて感情豊でさらに惚れ込んでいく。

時間がたつにつれて、異性の話になった。その話題は意外や意外、彼女の方から切り込んでくるとは思わなかった。

彼女かいるかどうか、好きなタイプはなどなど結構な詳細まで聞かれ、もしかするともしかと、期待に旨膨らみ何も考えずに同じようなことを聞いてみた。

「今までどんな告白のされかたした?」

そして彼女は、微笑みながら照れくさそうにこう答えた。

最近の事?」

この一言で察した。目の前がゆがむとはこの事だったか。むしろいい経験をした。遅かれ早かれわかることだ。

その後は、何事もなかったかのように装い会話を続けた。

いい時間になったのでタクシーで送り、

運転手と二人になった僕の目には一粒の涙がこぼれ落ちた。

悲しいという感情なのか、それとも人を初めて好きになったことへの喜びなのか家に着いた今ではわからない。

ただ、そんな僕に残ったのは、むなしさやせつなさではなく、こんなにもドキドキしてワクワクすることになるなら、もっと色んな人を好きになってみようという気持ち。

追記:

もう一つ残った物があった。

それは。。。

ハイテンションで、食事に誘う瞬間から決まった時の喜びのメールを何通も実況さながら友達に送っていたということ。

まぁ、明日は楽しくビールでも飲もうじゃないか友よ。

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