という女性の怒り(ってわけじゃないか?)をよく目にするが、それは微妙に違うんじゃないかと俺は思う。
いやまぁ確かにそういう人もいるんですが。
俺は思うんですよ。
男女に関わらず、人と人との関係が結ばれる時、お互いのキャラクター(というと漫画のキャラ扱いしているような感じですがそういう意味ではなく)を、大体お互いつかみ合うわけです。「彼は○○が好きで詳しい」「彼女は○○が得意だ」とかね。
それで、例えばですね、相手が「○○が好きだ」ってことを把握してると、自然と、○○と言う分野については相手が上、というよりも、相手の領土、って感覚が出来上がっていく訳です。その事に関しては自分より相手が上だと。
初めからわかっている、そうした彼女の領土に関しては、もう初めから「相手の方が上」と認めているわけなので知識があっても全く何も思わないわけです。まぁ、「よくしってんな……」とは思うけど。
で、その逆で、これは別に男だけじゃなく、人間一般そうだと思うんですが、「自分の領土」だと自分が感じているところもあるわけです。「ここは俺は相手より詳しい」と。別にそれは見下すとかそういうことじゃなく単純に好き分野の違いを把握しているわけですが。でその「自分の領土」だと思っていたところへ、自分より詳しくない(と思っていた)相手が、ずかずかと知識を披露すると、まあ面白くないわけです。これは男だけじゃなく皆そうだと思います。
で理系女性辺りが「男性は女性の方が知識あると嫌なんだ」と思いがちなのはその辺のすれ違いだと思うのです。つまり、理系ってなんだかんだで男子の方が多いわけです。だから彼らが関わる女性は、ほとんどnot理系なわけです。だから自然と彼女らとの関わり合いにおいて、「理系は俺の領土、○○は相手の領土」みたいな感覚が出来上がっている。その感覚を、個人個人で終わらせず、つい、(女性というとそういう領土関係を結んでばかりいたゆえに)女性全般に初めから抱こうとしてしまう。つまり相手は自分より理系分野に強い(あるいは理系じゃなくても一般的に男性の方がそれを好んでいる数が多いものもです。鉄道とかなんとか)場合でも、なんとなく「理系は自分の領土」って思っちゃってるわけです。でも相手は、たとえば理系女性なんかはそんな気はない、理系が彼の領土などと思っていないので、平気で相手の彼よりも知識を披露してしまうわけです。そうすると彼(別にこれはカレシという意味の彼じゃないですが)は、まあ面白くないわけです。それは自分の領土だと思っていたので。この「ムッ」感は、例えば先にハルヒにハマっていたのに、後からハマった奴がいつの間にか自分より深いハルヒオタになっていた、ような時の感覚なのです。今まではハルヒといえば俺の領土だったのに、いつのまにか、相手の領土になっている。その差に、最初はぐらっと揺らぐんです。でも、それも、慣れていくと、次第に感覚が変化に対応していき、「ハルヒはあいつの領土」ってなっていきますから大丈夫です。そういう感じになると、「そういやハルヒの新刊って出たの?お前の方が詳しいっしょ?」みたいにようやく素直に聞けるようになるわけです。
要するに問題は、領土関係を、お互い分かり合う前に、先入観で一方的に決めちゃいがちな男性(でもそういう女性もいると思います。ファッションについては当然私の方が知ってる、とか)がいることなのだと思います。
対応策というほとでもないですが、そういう男性に対しては、ちょっとずつ「○○という分野は私の領土であり、お前の領土ではない」ということをじわじわ分からせていけば、そのうちある境をこえると「○○は君の方が得意だもんね」としおらしくなると思います。もっとスピーディーにしたいなら、その「○○という領土の代わりの領土」を相手に与えつつ、するのがいいと思います。自分より相手が詳しい、好きな分野について「××のこと本当詳しいよね」「××のことは私はよくしらないから」などといい暗に「××こそがお前の領土である」ということを教えてゆくのです。と同時に○○についての知識をじわじわ披露し、「しかし○○という分野は私の領土だ」と分からせてゆくのです。代わりの領土がある分、相手は自分の立ち位置を見失い不安にならずに(そしてそれゆえに反発しがちにならずに)すみます。領土をただ奪い取るだけでは、彼は「えっ。じゃあ俺の領土ってどこ?俺ってもしかして、彼女に全部負けてるんじゃないのか……」と劣等感に苛まれ、不安になりますから。代わりの領土を与えることにより「あっそうか。○○は彼女の方が強いんだ。俺は××が強いんだ」とスムーズに認識を変更することが可能となります。
ていうかこれがいわゆる「男の顔を立てる」ってやつだったのかもしれないですね。そうしておいて実質的には自分の思うがままに……ってやつ。昔からよく言われることなので女性にとっては「は?今更何いってんの?当たり前だけど?」かもしれませんが……。