■空気読めない人

今流行の非コミュとか俺ケットとかじゃなくて父の話。

父は、「これだけは言われたくない」っていう、本人が一番苦しんでいるところの話題を平然と口に出す人間だ。

例えば長男である兄は、離婚して子供を元嫁に取られ、もう結婚するつもりはないんだけど、父は天気の話題なみの気軽さで「跡取りはどうするんだ」「結婚はしないのか」と話を振ってくる。そんな話をされたくない兄がトゲのある答えをすると、「ああこれは言ってはいけない話題だったのか」と反省するどころか、逆切れしてなおも同じ話題で責め立てる。怒鳴り、蔑み、とことん否定しまくる。兄がどう思っているかなど一切考えていない。

自分は下の子なのでさほど父の興味を引いてないんだが、子供の頃の悪癖で骨格が変わった部分をさして「やめろとあれほど言ったのにやめないから、こんなになって」とか平気で言う。

それを言って、その場が楽しくなるのか。相手の人間といい関係を築けるのか。

そういう気遣いが全く無い。

そして、父の気遣いのなさゆえに重苦しくなった空気に気づくこともない、どころか腹を立てるという始末。

結局兄は、もはや父親が死ぬまでなるべく接点を持たないようにしてしまった。

一番気にかけていた長男に一番嫌われる哀れさ。

嫌われていることはどうにか察せられるのか、父はよく、「俺は不幸だ」と嘆く。が、その原因が自分にあるとは、微塵たりとも思っていない。自分の意見を受け入れない兄がすべて悪いことになっている。

こういうのって、どうすればいいんだろう。いや、これまで30年以上かけて家族の誰が諭しても、決して理解することはなかったのだから、おそらく死ぬまで治らないのだろう。

自分が幸せなら家族も幸せだと思い込める（本当にそう口に出した。「俺が幸せなんだからお前も幸せでないと」とまで言った。）自己中心ぶりは羨ましいほどだが、それでもオヤジのようには絶対になりたくないと思う。

Permalink | 記事への反応(4) | 16:14

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