「愛情のようなものを一方的にふりまいていた」と娘・小堀杏奴はいう。ようするに「マリちゃんのパッパ」ごっこをやっていたわけ。
幻想世界に住む父親につきあいの良すぎた杏奴の姉、森茉莉がどれだけイカレたおばあさんになったかは周知のとおり。
室生犀星におだてられ(あるいはそうでなかったにしても本人は妙な自信を得て)老境にさしかかってから上梓した小説は
現代的意味においてBL小説と呼べる代物であり、つまりは腐女子の先駆者である。
不幸か、といわれると判断に困る。ただ、この父娘は人生を演技しており、妙なつくりもの感が漂うのは否定しがたい。
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