はてなキーワード: 全車指定とは
論旨
近年、鉄道の特急車両に「喫煙室つき全車禁煙車」が増えてきているが、分煙の観点で善し悪しがある。従来の「喫煙車・禁煙車、双方ある」という編成でも、分煙についてはある程度達成できている。また、非喫煙者(特に、嫌煙者)からすれば、むしろ従来の編成の方が満足度が高い場合もあるのではないだろうかと思った。
1つの提案として、指定席予約時に「準喫煙車」枠を設けてはどうだろうか。現在の、禁煙車か喫煙車かという二元選択ではなく、元喫煙車の現禁煙車や、喫煙室を併設する車両を明示的に選択・拒否できる制度を作れば、嫌煙者にとっても、喫煙室での喫煙を前提に乗車する人にとっても、満足度が向上すると考えられる。
赴任先の仙台から、実家のある関西へ、東北新幹線&東海道新幹線で帰って来た。
東北系新幹線は、全車両禁煙になってからソコソコ時間が経った。今日もうっかり元喫煙車に座ってしまったが、黄ばみは取れないもののニオイはずいぶん無くなってきた。これなら、うっかり元喫煙車当たってしまっても(僕はもう)大丈夫だ。
対して、東海道(・山陽)新幹線は、N700系の登場に伴って、徐々に「禁煙車+喫煙車」から、「全車禁煙車(喫煙室あり)」へと移行している最中である。
極めて個人的には、非喫煙者で嫌煙者であるが故に、禁煙や分煙が進んでくれることはたいへんにありがたい。ただ一方で、東海道・山陽新幹線ぐらいは喫煙車・喫煙室が残っていていいとも思っている。ビジネス移動向けの交通手段であるし、東京~博多の乗り通しはないにしても、東京~広島や名古屋~博多などの4時間級の乗車はあるだろう。その間、喫煙できないのは苦痛だろうと察する。
ところで、(N700の、当然禁煙車の)指定席に座っていたものの、時々スーツ姿の男の流動があって、時々ほのかにタバコのニオイがする。そうか、喫煙室に通っているから人の流動があるし、喫煙室の空気をスーツが吸ってくるからタバコのニオイが漂うのかと、妙に納得してしまった。
喫煙者や喫煙環境に慣れてしまっている人には気付かないかもしれないけれど、喫煙環境にいるだけで服にかなりのタバコのニオイが付着している。実際、私の隣席の同僚が、タバコを辞めてからも長らくタバコのニオイを漂わせていて、正直に言えば快くなかった。もっとも、「パチ屋に行くからなぁ……嫁さんに変なウワサを流さないでよ!?」と念を押されてしまったが、たしかに朝鮮玉入れ屋のヤニ臭さも尋常でない。
ここで話は冒頭に戻るのだが。
東北系新幹線が全車禁煙車になった当初、「禁煙車で」と指定席を取ったものの、つい先日まで「喫煙車」として営業していた車両を指定されて、ずいぶん困った。禁煙車には違いないけれど、明らかにヤニくさい。そして指定席だから……変更できないことはないけれど、動けやしない。
(注: 仙台以北に便利な、「はやて・こまち」は全車指定席で「のぞみ料金(相当)」なし、しかも「(MAX)やまびこ」より激早なので、仙台~東京方面の出張は、ふつう「はやての指定席」を取る。)
東海道(・山陽)新幹線では、従来(N700系以前)は、禁煙車を指定すれば禁煙(専用)車に、喫煙車を指定すれば喫煙(専用)車に座ることができたし、原則的に禁煙車の中でタバコのニオイに遭遇することはなかった。もっとも、禁煙車に座りながらも時々喫煙車のデッキに喫煙しに行く人は従来からいたし、車内扉の開閉時に喫煙車から禁煙車へ煙が流入することも従来からあったけれども。
しかし、禁煙車の中(一部分)に喫煙室を併設したことによって、「隣の人が『喫煙前提』の人だった」みたいなことが生じないだろうか。そして、その人が連れてきてしまうニオイで不快な思いを生じることはないだろうか。
禁煙・分煙・嫌煙の問題を挙げていけばキリがないかもしれない。というよりも、キリがないだろう。ただ、東北系新幹線と東海道(・山陽)新幹線のケースを通じて思った提案として、指定席予約時に「準喫煙車」枠を設けてはどうだろうかと思う。現在の、禁煙車か喫煙車かという二元選択では、嫌煙者が元喫煙車の現禁煙車や、喫煙室を併設する車両に割り振られる可能性がある。逆に喫煙者にとっても、喫煙室から遠い座席に割り振られて不便な思いをしている可能性もある。
喫煙ないし遭煙の可能性を明示的に選択・拒否できる制度を作れば、嫌煙者にとっても、喫煙室での喫煙を前提に乗車する人にとっても、満足度が向上すると考えられる。
予約システムの改修に関しても、現時点では喫煙車・禁煙車, 普通車・グリーン車のフラグしかないのかもしれないが、将来的に全車禁煙車が当然の環境になってくれば、現状の「喫煙車」フラグを「準喫煙車」フラグとして読み替えるだけで、それなりの対応が可能になると思われる。