はてなキーワード: イグナティエフとは
えーと、これは違うだろう。前半はその通りだ。誰でも人権を持っている、って言うことにしよう、ってことになってる。後半部分が問題。
ちょっと難しいかも知れんが、マイケル・イグナティエフ『人権の政治学』って言う本がある。余り大きな本じゃないから読んでみたらどうだ。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000200271/
ここにそれをベースにした論文がある。短いからオススメ。引用はここから。
イグナティエフは、「切り札」として行使される人権には反対だ。例えば人道的介入っていう概念があって、人権を守るために国家主権を侵すことも辞さず、むしろ「人権を守る」と言うことが万能のジョーカーとなってそれを正当化する役割を担っている。これは完全な間違いだ。「人権は政治を超えた道徳的な切り札ではなく、政治以外の何者でもない。」
そして、「偶像崇拝としての人権」にも反対している。人権は宗教じゃない。絶対的な道徳を担保するものでもない。人権教に加入しちまった奴は、逆に人権を理解していないってことだ。「人権へは…宗教的な意味での信仰ではないし、形而上学的な信念でもない。」
人権ってのは倫理的な規範なんかじゃないし、絶対的な真実でもない。全てを正当化する魔法の言葉でもない。当たり前のことだが、それはもっとリアルな政治の中で、人の生き死にに関わる状況で、どうやって誰かを守るのか、ということから発展した思想だ。あんまり濫用すんな。特に今回のレイプAVを云々ってのは最初は人権問題なんかじゃない。社会の倫理がどうなってるのかって問題だ。
「ある要求を権利と呼ぶことは、その要求には交渉の余地がないと言っているのと同じなのである」とイグナティエフは言っている。あんまり濫用するもんじゃない、ってこと、分かってくれ。
あと、お互いハテサだのウヨだのレッテル張りするのはやめて、自分の頭で考えて議論をした上で間違いは認めろよ。議論ってのは勝負じゃねーんだ。お互いの理解を深めるためのプロセスなんだよ。本も読まずに下手な発言するんじゃない。こんなところで言っても意味ないかも知れんがね。