上半身裸のマッチョマンたちで週末にぎわう公園が近所の浜辺にある。
なぜ彼らは上半身裸で筋トレしてるんだろう。
なぜあんなにもムキムキなんだろう。
いつも思っていた。
単純に見せびらかしたいからだと思っていたが半分間違いだ。
彼らは自分を追い込んでいるのだ。
見られることによってパフォーマンスを最大化しようとしている。
まさに背水の陣。
なぜそう思うのかというと、昨日ついに俺も鍛えに行ってきてそれを実感したからだ。
ランニング途中に寄って魔が差した。
昨日は8裸マッチョ:2着衣マッチョの割合で、腹がまだぷよぷよしてるのは俺だけだった。
そしてあの時は病的にまでやせた若者が機を伺うように一歩外から眺めていた。
いや、冷静に考えるとそこまでではなかったかも知れない。マッチョたちに惑わされたか。
若者よ。君は以前の俺だ。しかし今の俺は既にオッサン。この程度の羞恥心は耐えられる。
早速鉄棒で懸垂をし始めるが、やはり気になってしまう。
マッチョからの視線だけではない。浜辺に来た観光客も大勢いるのだ。
そんな中1セット目は13回も出来た。13回、実は自己記録更新だ。
普段は8回位でもう駄目と思ってやめてしまう。
公園の力恐るべし。
その後2セット懸垂を続けたが6回と4回とボロボロ。これはいつも通り。
スクワットもはさんだが結局10分もせずに帰った。そして今朝起きた時には筋肉痛になっていた。
感動した。筋肉痛とか久々だ。
これが公園の力かと思った。
しかしあの時の俺には周囲のマッチョを十分観察する余裕はなかった。
俺はまた戻ってくるぞ。そしていつの日か上半身裸になるんだ。
ぷよぷよ。応援してる。