うちの会社はわりと古い文化が根付いた会社で、
残業したやつが偉いとかリモートワークはしないとか、
まあちょっと昭和的な会社だ。平成にできたのに。
だからなのかレディーファーストという、男女平等を謳う現代には若干古めな文化も残っている。
その最たる例が、取引先から頂いたものの分け方だ。
お歳暮でお菓子やジュースを頂くというのは、どこの会社でも多かれ少なかれあることだと思う。
これの配り方ってみんなの会社だとどうしているだろう。
平等に配る?適当なところに置いといて早いもの勝ち?じゃんけんで決めるところもあるだろうか。
うちでは完全に女性優先だ。
たとえば小分けになったお菓子を受け取ったとする。
すると、まずは「女性から」と言いながら誰かが配り歩き始める。
女性に配り終わるまで男性はもらえない。だから数によっては一部の男性は何ももらえないことがある。
では、数に余裕のある場合はどうか。平等に配れば、全員が2つのお菓子をもらえるような場合。
こういったときは、女性が3つ、男性が1つもらうことになる。
必ず女性が優先になるのだ。
話は変わるが、数日前にツイッターで
「昔の忘年会で紅まどんなというみかんを配ったらめっちゃ喜ばれた」
というような旨のツイートがバズっていた。
恥ずかしながら俺は紅まどんなというみかんを初めて聞いたのだが、
だからこそ「そんなに美味いみかんがあるのか」とめちゃくちゃ興味が湧いた。
買うか買わざるか、なかなかのお値段だなと数日悩んでいたのだが、
ある日、弊社宛てに愛媛の取引先から紅まどんなが届いたのだ。
なんという僥倖だろう。あの話題の紅まどんなが、なんと無料で食べられるじゃないか!
賢明な増田諸氏ならもうオチは読めただろう。
もらえなかったのだ。女性優先だから。紅まどんななんていう高いもの、
何十個も何百個も送ってくれるわけはないのだから。
数日想い焦がれた紅まどんな。ああ、お前はどんな味なんだろう。
ゼリーのような食感だというじゃないか。
みかんゼリーが大好きな俺にとって、高級フレンチのよくわからない
「なんちゃらソースを添えて」みたいな名前なんかよりもよほど興味をそそられる形容だ。
ジュワッと果汁が溢れて口の中いっぱいに広がるのか、
はたまたサラッと喉を爽やかに通り抜けていくのか。
いろいろな想像をした紅まどんなが、目の前にある。
目の前にあるというのに、俺はそれを手に取ることは叶わなかった。
俺のデスクの両脇は女性社員だ。
紅まどんなが弊社に届いて数日経った今もなお、
なぜか食べられずに両脇のデスクに置かれている。
朝来てそれを見るたびにレディーファーストという文化に対する憎悪が膨張していく。
この憎しみが、空気を入れすぎた風船のように弾け跳ぶ前に、
どうか食べるか持って帰るかしていただきたい。
俺はもうどうにかなってしまいそうだ。
紅まどんな食べないの?って聞いてみたら 案外くれるかもよ あれナイフが無いと食べづらいから会社で食べるには不便だし、持って帰るのも満員電車だと潰れそうで怖いから会社でもら...
元増田です。 二人とも「やったー紅まどんなだー!」って喜んではいたから、食べたくないわけじゃないと思うんだよね。もう自分で買っちゃおうかなあ。
そうかーじゃあもらえないかも。 自分で買って食べるのもいいと思うよ デスクで放置されてたのと違って新鮮だし
食い尽くしと思われたくないなら自分の金で買え