小学校4年生から3年間運動会で鼓笛隊をやった。運動会前1ヶ月くらい練習して行進曲等を披露する奴だ。
大抵の児童はリコーダーか鍵盤ハーモニカだが、6年生は特別に太鼓などの珍しい楽器で演奏できることになっていた。
楽器を選ぶ権利は4年生からずっと続けていた人が優先で選べる。今年初めて鼓笛隊をやる6年生は大抵は人数の多いアコーディオンだった。さらに余ったアコーディオンは5年生に回される。
私は3年間続けていたわけでもちろん優先的に選ぶことができたのだが、この希望が選べなかったのである。誰かと被って争いたくなかったのだ。誰も手を挙げない楽器があったら挙げよう、と思っているうちにほとんどの楽器が決まっていき、いつの間に5年生からの児童も希望の楽器についており、気づいたらアコーディオンしか残っていなかった。
私はアコーディオンは3年目の学生がやる楽器じゃないだろう、と思って悲しかったが、まあ手を挙げられなかった私が悪い、と諦めてアコーディオンをやるつもりでいた。(一応申しておくと別にアコーディオンを下げているわけではない。他の機会で演奏したがとても楽しかった、いい楽器だと思う)しかしここで幸運が降ってきた。先生がうっかり楽器リストに鉄琴を入れるのを忘れていたのである。
これ幸いと私はじゃあ鉄琴をやります、と宣言し、無事鉄琴役を勝ち取った。なんだかズルみたいに勝ち取ったなぁ、という記憶がある。
実際の練習はちっとも記憶が無いが、つつがなく楽しく終えたのだと思う。
こんなしょうもないエピソードから何を結論つけるか難しいのだが、自分の希望を出せない内気な私は今でも健在ということは言える。現代日本では自分でやりたいと希望を出せる能力はとても大事である。私は現代日本には必要とされていないのだ。ただの真面目系クズは求めれられていないのだ。しんどいなぁ。