■一時期沈んでしまったことがあった。
他愛のないことがきっかけで。
ご飯は喉を通らなくなり、一日中布団にくるまって眠っていた。
なんだかよく分からなくなって、手首のあたりに傷をつけた。
でも、カッターの刃はほんの少し出しただけで、深さも猫に引っかかれた程度のもの。
今までで一番沈んだけど、僕は死のうとしていなかった。
多分、これから沈んだとしても、僕は死なない。自分で死のうとしない。
僕の底は自殺じゃなかった。それが分かっただけでもよかった。
変な自信がついた。
僕の底は自殺じゃない。本当に、よかった。
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