2010-11-10

米国中間選挙の結果がでている。

共和党の躍進であり、下院は事前の予想通り多数をとった。上院で過半数を取るのは難しいとされていて、これも、予想通り、過半数に届かなかった。

上院下院で多数派が違う、いわゆる捻れ国会であるが、アメリカ場合党議拘束が基本的に無いので、案件ごとの切り崩しが効く。切り崩しの為に、法案に付帯法案をくっつけるという事が行われ、本来数ページの法案が、議会を通過させたら法案とは無関係な付帯法案が数十ページくっついてきたという事態が発生する。

大統領発案の法案だと、基本的に大統領サインは既に終わっていることから、ここぞとばかりに付帯法案をくっつけることになる。本来の法案を通したければ、付帯法案にもサインをしろと迫るわけである。

中間選挙で負けたのは、国民の理解を得るための説明が不十分だったからという敗戦の弁がでているが、詳しく説明すると不都合があるという勢力のロビイングに、振り回されたという事であろう。

上下両院とも民主党が多数派を占めている時には、対立政党議員の切り崩しは必要無いが、味方の筈の自党の議員の造反を押さえ込む為に、付帯法案を飲まなければならなくなる。敵対政党から票を一本釣りをする為に飲み込む付帯法案は、ささやかなモノになるし、場合によっては提案者の名前がそのまま法案名になったりするので、あまり酷い法案は出てこない。しかし、身内から出てくる付帯法案は、恥知らずな法案が多くなるのである。

国民に向けて説明する事を望まない法案ばかりとなれば、説明不足のまま強行採決を繰り返せという話になっていく。

オバマ国民皆保険制度のような、民間保険会社を存続させて、その損失補填を税金でやるという骨抜きの上に大穴の開いた制度にするには、国民に詳しく説明されては困るのである。改革に乗じて焼け太りをするには、知らしむべからず依らしむべしで話を進め、詳しい事は法案が成立してから明らかにし手遅れにするというのが伝統的な手法である。

選挙民意民主党政権を否定したのは、当然の結果である。

理念は立派であっても、それを実現する過程で、その理念を利用されてしまうのは、改革に付き物のリスクであり、上からの改革がうまくいかない主たる原因でもある。変化を起こしたければ、実業世界で起こし、既存の制度ルール時代遅れにすることで実現するのが、遠回りなように見えるが、実は、一番早くて確実な手法なのである。

細かい法や規制や規則でがんじがらめにしてそれでうまくいくのはその瞬間だけである。

時間が経って環境が変われば、法や規則や規制邪魔にしかならないし、それらを改廃するにもそれらの制度にしがみついている人々を切り捨てる部分でマスコミと結託し大騒ぎするので身動きが取れなくなる。

法や規則や規制は、時代や環境の変化に対して中立な事だけに限らなければ、煮魚をつつきまわした挙句煮崩れさせてしまい全部を無駄にしてしまうような愚行になってしまうのである。

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