子どもへの性犯罪、出所者7人に1人再犯 (2010/11/4)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4567949.html
子どもへの暴力的な性犯罪で服役し刑務所を出所したおよそ7人に1人が、再び性犯罪で摘発されていることが警察庁の調査で明らかになりました。
警察庁が今年5月までの5年間に子どもに対する強姦や強制わいせつなどの性犯罪で服役し、出所した740人を調査したところ、およそ7分の1にあたる105人が痴漢や下着を盗むなどの性犯罪で、再び摘発されていたということです。
再犯者の6割は20代から30代で、半分以上は出所から1年以内の犯行でした。
「再犯リスクの高い対象者については、同意を前提に面接を実施するなど、再犯をさせないためのかかわり方について検討する必要がある」(警察庁 安藤隆春 長官)
子どもへの性犯罪者が出所するという情報は法務省が5年前から警察に提供していますが、警察庁は今後、出所者の同意を得たうえで現在は行っていない警察官による面接を行うなど、再犯の防止対策を強化する方針です。(04日16:40)
※資料
再犯防止に関する総合的研究 第2編 犯歴・統計から見た再犯者の実態と対策 (2009年 ※データは2006年まで)
http://www.moj.go.jp/content/000049794.pdf
・(子供相手に限定しない)性犯罪者の性犯罪再犯率は5.1%で、他の罪名と比べて低い水準にある。
・3回以上性犯罪を繰り返すものの約9割が20歳代までに初犯を犯している。
それゆえ,性犯罪者の再犯危険性評価においては,少数ではあるが,このような傾向を示す者を的確に把握して,専門的な性犯罪者処遇の対象とすることが,その同種再犯防止に効果的であると考えられる。
下の資料の統計が
初犯で「大人や子供相手の」強姦や強制わいせつを犯した人が → 同じく「大人や子供相手の」強姦や強制わいせつを再び犯す率 が5.1%
初犯で「子供相手の」強姦や強制わいせつを犯した人が → 「大人や子供相手の」強姦や強制わいせつ+痴漢や下着ドロを更に犯す率 が14.2%
をカウントしているという違いがある。
なお上記資料には初犯とは異なる罪名も含む場合の再犯率も載っているので、付記しておく。
初犯の犯種 | 初犯と同犯罪の再犯率 | 初犯と異なる罪も含めた再犯率 |
窃盗 | 28.9% | 44.7% |
シャブ | 29.1% | 41.6% |
傷害暴行 | 21.1% | 33.2% |
強盗 | 2% | 32.2% |
強姦のみ | 3% | 32% |
性犯罪(強姦or強制わいせつ) | 5.1% ※強姦→猥褻や逆も含む | 30% |
詐欺 | 11% | 29.7% |
風営法 | 20.7% | 28.6% |
強制わいせつのみ | 6.5% | 24.3% |
放火 | 3.7% | 20.2% |
殺人 | 0.9% | 16.6% |
■感想
もしも少数の累犯可能性の高い群にピンポイントに支援を行いたいということであるならば、方向性としては悪くないのかもしれない。
ただその場合、「警察官との面談」に何か効果があるのかはよくわからない。
(数年前再犯率で盛り上がっていた界隈って今どうなってるんだろう。)