通常、複数を殺害していると確実に死刑になるが、今回は、被害者の一人が風俗嬢で、加害者に貢がせていた可能性があり、痴情のもつれから発生した殺人事件である可能性が存在した。また、もう一人の被害者は風俗嬢の祖母であることと、同時に殺害されている事から、痴情のもつれに一方の立場で介入したと考えられる。
殺人行為は行為として罪に問うべきであるが、被害者二人の側にも、痴情のもつれを悪化させる行為があったと考えるべきで、相殺が働く余地がある。
被害者が風俗嬢で無ければ、そして、貢がせていたという形跡が無ければ、間違いなく死刑になったであろう。
それにしても、30分2700円の耳かきサービスを、休日には7,8時間という長さで指名し続けて、耳かき嬢を売り上げナンバーワンにしていたというのは、キャバ嬢に貢いで、あわよくば店外デートに持ち込んでというのと、同じ考え方だったのであろう。
不要なサービスを買い続け、買わせ続けていたわけで、それだけの外形がある以上、風俗嬢として多少の店外サービスをやって幻滅させていれば、殺人事件にまでは発展しなかったのではなかろうか。
被害者の耳かき嬢には、風俗で働いているという自覚が無かったのであろう。
風営法の指定外の業態だから風俗嬢じゃないという考え方は、お金を出す側には通用しない。耳かき店側もケツ持ちをちゃんと使って耳かき嬢に因果を含めなかったことが事件に繋がったのだろう。
「因果を含める」はいい言葉だ