初音ミクが海外で注目を集めるきっかけになったのが、3月に行われた「ライブコンサート」のおかげだという説をネット上でたまに見る。実際、最近になって急に増えた海外メディアの「初音ミク紹介記事」を見ると、YouTubeのライブ動画へのリンクが張ってあるものが多い。
だが、実際にYouTubeの動画で「人気のある地域」を調べてみると、ライブ動画を見ているのはほとんど日本人ばかりだ。題名に英語を含む、つまり外国人にとってとっつきやすそうな(09年のアニメロサマーライブとミクフェス含む)ライブ動画のうち、再生数が10万を超える以下の動画などを見れば、そのことが分かる。
http://www.youtube.com/watch?v=lbFbXuaKviM
http://www.youtube.com/watch?v=OdCEiAJgdgo
http://www.youtube.com/watch?v=EYANyMy3HFw
http://www.youtube.com/watch?v=zWq3LoLg4Vo
http://www.youtube.com/watch?v=i_RVLOsUW6U
http://www.youtube.com/watch?v=rnHuQNVj_DE
http://www.youtube.com/watch?v=x8PbhOh2uKs
http://www.youtube.com/watch?v=39lzK2xZjok
なぜかミクフェスでの「みくみくにしてあげる」で韓国がトップになっている以外は、軒並み再生数で日本が最も多い。欧米での再生数は実はそれほど多くないのだ。要するに初音ミクのライブ動画は国内でこそ人気があるものの、海外ではそれほど見られていないのが実態。
これはNYで行われたフィルムコンサートの動画でも同じだ。NYで外国人が撮影してアップした動画にもかかわらず、外国人に人気があるといわれるリン、レンの動画ですら、やはり最もよく見られているのは日本(それもなぜか男ばかり)であることが分かる。
http://www.youtube.com/watch?v=J4AISbwOIHA
ライブコンサートではなく、他の初音ミク動画であれば日本より海外で人気のあるものも多い。たとえば100万再生を超えている「ぽっぴっぽー」の動画では最も多いのは米国であり、カナダや欧州でも結構見られている。
http://www.youtube.com/watch?v=T0-2lzA7_Cg
だが、同じ「ぽっぴっぽー」でもライブ動画になると人気の中心は日本に移る。
http://www.youtube.com/watch?v=gy8w6pMsuUQ
海外メディアがライブ動画に反応した可能性はある。でも外国人全体で見るとまだまだ初音ミクのライブ動画はほとんど知られていないのが実情。むしろ海外での報道をきっかけに日本人の方が敏感に反応しているように見える。