そこでホームレスのおばぁちゃんに絡まれた。
彼女が言うには、昔わたしは横田基地で働いていたが病気になり、近くの大きな病院に担ぎ込まれ、その病院に通いたいから俺が住んでいる市に住んで生活保護を受けたいのだが、住所がここにないから住民票を貸してくれないか?とのこと。
でも、その人が実際に住んでいないのに住民票に名前を連ねるのはよろしくないだろうし、彼女曰く、生活保護支給→安い家を借りる→そっちに住民票を移すから迷惑かけないとのことだが、家を借りるには保証人が必要であり、そういう人もいなさそう、というか、そういう人がいるならその人に住民票を借りればいい話のはずだらかそういう人もいないと思うのだが、彼女の今後の社会復帰の展望が全く描けなかったので、彼女が今住んでいる(??)場所に帰る電車賃を渡して、別れてきた。
彼女が言ってることのどこまでが本当かわからないが、少なくとも、俺が住んでいる市から生活保護をもらおうとして、住所がないからもらえずに困っている、というあたりまでは確からしそうではある。ように感じた。
ここで思ったのは、彼女はどうして住所を失ったのだろうか、ということだ。日本では家賃をだいぶ滞納しないと追い出されることはないはずだし。とすれば、彼女は家賃を払えなくなってから相当期間、家賃を払うための対策を取ることなく、時を過ごしたことにはならないか。それはそれで怠慢である。
彼女は横田基地で働いていたことを強調していたが(実際、生活保護のことをewlfareといったり、旦那のことをhusbandといったり、英単語が日本の中に綺麗に組み込まれていたことから、それなりに英語と接する場所で多くの時間を過ごしていたのだろうとは思う。)、その仕事はどうなったのか。病気で全てを失ったのだろうか。とすれば、生活保護をもらったとしても、死ぬまで生活保護で生活するつもりなんだろうか。かなりいい年だったが年金はどうなってるんだろうか。住所があれば年金ももらえるんだろうか。というか、住所以外の受給要件は満たしているんだろうか。
少なくとも、ホームレスのおばぁちゃんを家に住まわせる程の経済的余裕はなく、また、彼女を信頼することもできなかったので、また、信頼する必要もないから、いかんともしがたく、せがまれた500円を渡して帰ってきたのだが、これは何の解決にもならない。ただ、今後は教会に行くといい、ということにしようと思う。
ふと思ったことは、人間以外の動物は病気になったら死ぬのである。のたれ死ぬか、食べられるかは別にして、とりあえず死ぬ。それが普通。自分で生活の糧を稼ぐ能力を失えば、死んでいくのである。でも人は違うらしい。生きることそれ自体に価値があるようだし、みんなで助け合って生かす必要があるというのが大勢の考え方のようである。冷静に考えると非常に異質な感じがする。あー。ここにあるのは明日は我が身、という発想かもしれぬ。
話は戻って。社会保障受給のために住所があることを要件とする法律は合理的な判断で、合憲だと思う。ということは、俺は憲法上の社会権は、住所を失うまでに事態を放置した者には保障されない、もしくは、そのような者に対する制約は正当化されると理解しているようである。憲法上保障される社会権とはいえ、所詮その程度の保障の強さだと思う。
まぁ、落ち武者の戯れ言解釈論はさておき、人は老い、病弱になっていくことは不可避なのだから、いくら激動の時代とはいえ、弱っていく自分を前提に人生のリスク分析をしておく必要があると思った。人生のリスク管理に失敗するとそのおばぁちゃんのようになってしまう。落ちていくのは一瞬なんだと思う。
よくわからんし関係ないけど、ホームレスの男女比率が5:1くらいなのはどうしてなんだろうな。 男より女の方が長生きするけど、女は年取ったらまともな仕事ないから結婚してなきゃ生...
今後はそういう人がどんどん増えていくんだろうな。 社会保障も金が無いから余裕なくなってくだろうしな。 自分自身は大丈夫でも、親兄弟などがアボンして巻き添え食らう可能性は減...
社会保障受給のために住所があることを要件とする法律 法律は生活保護の受給要件として住所があることは定めてないよ。 現場では徹底されてないみたいだけど。 http://wwwhourei.mhlw.go.j...
生活保護法24条1項、生活保護法施行規則2条1項からすると、住所または居所が要りますな。 じゃぁ、このばぁさんはホームレスしながらずっと特定の市に住めば居所認定を受けて...