■サラリーマンにとっての１分

この間まで週に1,2回、1,2分遅刻してくる同僚がいた。ちかごろは他の皆と同じく始業の15分前には来るようになったが、最近その遅刻していた理由と遅刻しなくなった理由を聞いてちょっと考えされられた。

彼は最近3人目の子供ができて、奥さんの負担を軽減するために上の子供を幼稚園に送っていたそうだ。開園と同時に子供を預けて電車に飛び乗ってはいたが、タイミングによって電車を一本逃してしまっていたらしい。

そんなことが、２，３ヶ月つづいていたらとうとう課長に呼び出されて、注意されたとのこと。一応理由を説明したらしいが、人にはだれでもそれぞれ色々な事情がある、それにもかかわらず皆きちっと毎日時間前には来ているのだから云々的なこと課長に言われたらしい。

彼が確実に遅刻をしなくなるためには、当然、奥さんが子供を幼稚園に連れて行くことになる。女にとって出かける準備がどれほどのものかは、自分も親ではないが女だからなんとなくはわかる。

自分のもらってる30万ばかしの給料のうち、自分の労力全体から言えば朝の準備は3,4割は占めているかもしれない。彼の奥さんは、生まれたばかりの赤ん坊と二人の子供の手を引いて、ママ友というライバル？がウジャウジャいる所に行かなければならない。上司は週1,2回、1,2分の遅刻を許さず、その負担を彼の家族に強いた。

皆独身の中、一足先に結婚してぽこぽこ子供を産み、着々と幸せそうな家庭を築いて付き合いの悪くなった彼には周りからも妬みもあったかもしれない。部署の中にはちょろちょろ遅刻を繰り返す彼を良く思っていない人もいた。課長としても全体の士気に係わる問題だと思っていても不思議はない。でも、やっぱり少し後味がわるい。

もし、課長が「そうかそうか！、それは大変だな！、こんなときぐらい奥さんに協力してやれよ！」っていうタイプの人なら、だいぶ違う空気になっただろうけど、やっぱりそれって甘えなの？

Permalink | 記事への反応(12) | 14:35

ツイートシェア