今まで色々と小説とかシナリオとか書いていたけれど、どうにも漠然と苦しくて仕方なかった。
良いアイディア思いついたと思っても、あとからよくよく考えれば何だか物凄くつまらなく見えたり、どれだけ頭絞っても自分の中にある理想の何かが具現化できなかったり、とにかく物を書いていて心から楽しいって経験があまりなかった。
そして、その理由は薄々と自分でも感づいていた。格好をつけて書いていたからだ。自分の好きなことでなく、周りの目を見てばかり書いていたから、苦しくして仕方なかったんだ。
こんな出来じゃ馬鹿にされるんじゃないか、こんなこと書いたらアホだと思われるんじゃないか。よくよく思い出せば、何かを書いているときは、いつもそんな思考が頭をかすめていたように思う。楽しいと思えた瞬間より、苦しいと思った瞬間の方が多い。
いわゆる、承認欲求が強いんだな、俺は。
一方で、そういう苦しみに囚われないで書いていられるときも、僅かにあった。
それはエロを書いているときだ。物語の良さとかあまり考えない、ほぼ100%抜き目的の作品。
そんな作品を書いているときだけは、承認欲求への囚われが不思議とほとんど無かった。代わりに股間の勃起っぷりが半端無かった。
無理しながら満たされるかもわからない承認欲求を満たすために一般受けのいいものを書くか、自分の妄想を具現化するためだけにエロいのものを楽しんで書くか。
どちらが良いかと言えば、やっぱり後者だ。だいたい趣味で書いているのに苦しみながら書くなんてアホらしすぎる。
アホらしすぎると気付いているのに、俺は今まで一般受けの良い物ばかり書こうとしていた。低俗なエロいものばっか書くなんて、俺の中途半端なプライドが許さなかった。股間はしっかり勃起させときながら、その事実を認めようとせず、こんなもの書いて喜んでるなんてと自己嫌悪に陥っていた。
でも、そんなくだらないプライドなんて持ってても、仕方がないと最近気付いた。
もう精神的に疲れきったんだな。
一般受けがどーとか、低俗なのがどーとか、そんなのはもうどうでもいい。
大事なのは、それが俺が書きたいものかどうか、それが俺が読みたいとものかどうか、それだけだ。
だから、今後は新しいHNを作り直して(いくらでもやり直しが効くからネットは良い)、それでエロを中心にやりたいように書いていこうと思う。おれの性癖の細かいニーズに答えた、おれのためのエロ作品を書いていこうと思う。もちろん、もしかしたら性癖が合う人が見つかるかもしれないので、ネットで公開したりはするけれど。
一般向けは、どうしても書きたくて仕方がなくなったら。今、おれがエロを書いているときのように、書いていて心底夢中になれるときが来たら、そのとき書けば良い。