10年来の友人から電話があった。
僕はサラリーマンだ。
だから、そんなバイト知るわけもないし、
もちろん紹介することもできない。
と的外れかつ当たり障りの返答しかできない。
彼とは、専門学校時代に出会った。
頭の回転が速くて、話をしてて楽しかった。
将来の道を模索していた。
最終的に僕は24歳でITエンジニアの道に、
30代も目前のある日、彼は「ITエンジニアの道に進みたい」
と相談してきた。
「年齢的に厳しいかもしれないけど、本気ならば頑張ってみればいいよ」と
専門学校の選定等、色々と話し合い、心から応援していた。
彼は29歳で専門学校に入学した。
「知人の起業を手伝おうと思っている」と連絡があった。
もちろんIT関連の会社ではない。
ざっくりと事業内容も聞いたが、一抹の不安を感じたので、
「今までの勉強したことが無意味になるから、やめた方がいいよ」
と説得を試みたが、結局、知人の起業を手伝うことになっていた。
「給料が遅れている。会社はもう駄目かもしれない。」と連絡があった。
「早く辞めてから、次を考えたほうがいい」と伝えた。
その後、色々と就職活動をしたが、30代での就職は本当に難しい。
本意のほどは分からないが、「金を貸してくれ」としか僕には感じなかった。
翌日、彼の口座に自分なりに精一杯の金額を振り込んだ。