よのなかには全力坂に対する誤解がはびこっている。
だからここで言わせてもらおう。
「全力坂」の魅力は「全力」にある。「坂」じゃない。
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だから、あらかじめ見ようと思ってみる人は、そうはいないだろう。
たまたま、深夜にテレビをつけたら目にしたという人が、大半のはずだ。
けれど、「なぜだか見てしまう」、という人が多い。
そのように、「魅力がある」、と認める人は多い。
だが、このような人たちは、
「どこが魅力なのか」について分析し始めたとたん、まちがいを犯すように思う。
わたしが目にした範囲では、
その魅力を、つぎのように分析している人たちがいた。
まず、「走ると胸が揺れる」、というのがあった。
これは、若槻千夏などがやっている分析だ。
「どうせこういうの(胸ゆれ)が好きなんでしょ?」という考え方だ。
一般的には正解かもしれないが、全力坂的には、まちがっていると思う。
つぎによく見かけるのは、「最後にアイドルが息切れしているのがよい」、というものだ。
これは、誰とはいえないが、ほとんどの人がやっているような分析だ。
この息切れシーンに魅力を感じたから、ここに注目したのであろう。
ほとんどの人が挙げる理由は、「息切れシーンがよい。けどここが好きなんて変態だ」とか、「変態番組だ」、といったものだ。
なぜだろう。
「その息切れが性行為を連想させるから」、というものだと思う。それ以外思い浮かばない。
これも、一般的には正解かもしれないが、全力坂的には、まちがっていると思う。
これらが共通して陥っているまちがいは、
あまりにも、短絡的に、セックスとか性的なものに結び付けている点にあると思う。
つまり、エロだ。
では、何が魅力なのか。それは、あくまでも、
「全力で走る」という点にある。
これはなにも、「一生懸命な姿が美しい」、と言っているわけではない。
言い換えるなら、「全力で走ると、演技することができない」、というのが魅力なのだ。
「全力で走らせて、(カメラを意識した)演技をできなくさせる」、という点にあると思う。
そこが魅力だ。
演技をしていない状態のアイドルが見たいんだ。
だから、
かわいく走って全力でなかったり、息を切らせながらもカメラに視線(流し目)を向ける余裕を残しているアイドルには、興ざめだ。
そんなものは、見たくないんだ。
ほんとうのおまえが見たいんだ。
そんなことをする余裕のない姿が、見たいんだ。
これは、あらゆる人の欲求だ。
だから、半ドキュメンタリーな、リアリティ・ショウが受けるんだ。
だから、だから、どうか、それが真実の姿でなくてもいいから、
全力で走ってほしい。