私は二十一世紀の日本についてはいろいろ想像したりします。
人口の半分は遊ぶと思うのです。ちゃんと働くひとびとはもちろんいるでしょうが、
それらに参加したくないというひとびとも出てくるでしょう。すでに現在もその徴候がありますね。
社会に富があればの話ですが、遊んで暮らす人になりたいと思う青年が増えてきても、
不思議でもなんでもありません。
しかし、どうせ遊んで暮らすというのなら、できるだけ知的に遊んでほしいと私は思うのです。
(司馬遼太郎『時代を超えた竜馬の魅力』「高知新聞」1985年8月10日朝刊より抜粋)
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