10年、いやもっと前の話だけどな。
日曜の朝、まだ寝てたんだが親に起こされ、お前に客だ、と。
寝てるからといって断るのもアレだからちゃんと応対しろ、と。
寝ぐせついたまんまで玄関に出たら、こざっぱりした格好の男が一人。
当時もう国会議員だったかな?まだ県議会だったかな?よく覚えてないけど。
どうやら学校の卒業名簿をたどって後輩を訪ねてまわっていたようだ。
先輩らしいという話は聞いていたけどさ。
こっちは寝ぼけてたんでよく覚えてないんだが、
「こりゃこりゃどうもわざわざ」とかなんとか応対したんだと思う。
とりあえず政治家だから握手しとくかと思って握手しといた。俺はまだ目が覚めてなかった。
で、次の瞬間、「こちらのカベ(家の塀)にポスター(選挙のやつ)はらせていただいてよろしいですか」と。
0.1秒後に「ふざけんな」と思い、0.2秒後に「いやぁ、それはご勘弁を」と言った覚えがある。
実はここのところだけは異様に鮮明に覚えてる。
浅尾氏はあっさり引き下がって去っていった。
その後俺は時計が10時を指してるのを見て顔洗って水を一杯飲んだところでようやく完全に目が覚めて、こう思った。
「なにしにきたんだ今のは」
いや、分かるよ、政治家なんて握手した人数がナンボ、貼ったポスターの数でナンボだ。
それが仕事だ。ましてや当時の浅尾氏みたいな若手であればなおさらそれが仕事だろう。
俺が寝起きで判断力が鈍いのを見越してすかさずポスターを貼る許可を求めたのか?
自分が何者で何しに来て、俺が誰でどんな考えの人かどうか少し話でもしてから最後の最後にポスターを貼る許可を求めよう、とか思わないのか?
ただ機械的に「ポスター貼らせてください」っていうだけだったらポストにチラシ入れに来るバイトにやらせろよ。
おいおい、マジで実弾配ってるド田舎の選挙のなごりから発生したそんなくだらない法律なんてどうでもよかろうよ。
学校の卒業生が政治家になって後輩に支援を求めに来て何が悪い。
政治家が有権者に支持を求めるんなら、まずそういう「話」をしろよ。相手が寝起きの寝ぼけ眼でもどうにかする程度の営業トークのテクくらい持てよ。政治家はしゃべってなんぼだろ。
選挙期間中でももちろんなく、秘書や運動員を引き連れてじゃなく、日曜日に一人でウロウロしてただけだったなら、時間はたっぷりあったはずだ。
俺としては、当時から自民党のやり方はアレだと思っていたし、そこへ民主の若手の議員さんが突然の逆OB訪問。
政治家の一人や二人くらい仲良くなっておくのも悪くはなかろうという大人の腹黒さだけでなく、本気で「日本の政治ってどうなのよ」って話をその道のプロ目指してる若手とまじめにやるというのはアリだろう。
きっかけは母校のよしみでもなんでもいいんだから。
少し待ってくれればあがってもらって俺が顔洗って着替える間にコーヒーくらい出したのに。
いずれにせよ当時の家の壁にポスターはちょっとカンベンだったろうけど、
そこから10年、支持や支援の仕方も違ったろうに。(政治家への支援の仕方なんてよくわからんけどさ)
トーストとコーヒーで朝飯を食いながら、そんなことを思ったのをまじでよく覚えている。
まあ俺も寝起きで無愛想なのも悪かったけどさ。日曜の朝なんだからしょうがないだろ。
それからニュースや新聞で「浅尾」の名を見ると、読み飛ばすんではなくむしろちょっと真剣度をあげて読んだりするようにしてたんだが、やっぱり、なんか、ズレてる気がした。言うことなすこと。
そしてさっきこんなトゥギャッターを見かけた。
Togetter - まとめ「浅尾慶一郎は終わっている」
Togetter - まとめ「みんなの党 あさお慶一郎 大炎上!!!」
うん、やっぱりなんか、ズレてるよ、アノ人。俺のあのとき以来の感覚は間違ってなかったんだと思う。
機械的にこなせばいいコト、そうじゃなく力をいれるべきポイント、
そういうのの分けが、なんか、ズレてる人だ。