2010-03-27

君がいる間に世界が滅ぶ確率は●%、これってトリビアになりますか?

つがいの(うちゅう)うさぎ

ひとつがいの兎は、産まれて2ヶ月後から毎月ひとつがいずつの兎を産む。ひとつがいの兎は1年の間に何つがいの兎になるか?」

っていう問題と非常に関係が深いのがダヴィンチ・コードとかで有名になったフィボナッチ数列で、答えは F12 = 233匹になる。次の1年間ではこのそれぞれのうさぎが233匹に増殖すると考えると、あっというまにうさぎだらけになってしまうことがわかります。恐ろしいものです。

でもこの問題のうさぎは、不老不死永遠に生き続けるわ性欲の塊で子をひたすら為し続けるわの地球にいるうさぎとぜんぜん別モノの宇宙うさぎなのでちょっとイメージが沸きづらい。

宇宙うさぎは寂しくても死なないつよいうさぎ。だけどときどき真っ赤な悲しい目で空を見つめることがある。その瞳に何が映ってるかは地球人には想像だにつかない。

さて、宇宙うさぎはずっと生まれてずっと生き続ける。でも、宇宙はそんなに甘い世界じゃないからやがて滅ぶ。だから宇宙うさぎはそのときに死ぬのだ。つまり、きみが宇宙うさぎだったとしたら、きみが生きてるうちに世界が滅ぶ確率は100%ってことになる。残酷な話だ。

つがいの(ちきゅううさぎ

宇宙うさぎ世界が滅ぶまで死なない。でもそんなの地球の人たちからするとおかしな話だ。だからあんまり宇宙うさぎの話は参考にならないのかもね。

地球にいるうさぎ宇宙うさぎと違って死ぬ。

具体的には、小学生うさぎ高校生うさぎ社会人うさぎ、老人うさぎの順で育って死ぬ。高校生うさぎから社会人うさぎになるときにひとつがいの子どもを産み、社会人うさぎから老人うさぎになるときにもひとつがいの子どもを産む。老人うさぎは誰にも看取られずに孤独死する。これが宇宙うさぎとの違いだ。

宇宙うさぎ:2歳になったらひとつがいの子どもを産む。以後ずっと産み続ける。しあわせ!

地球うさぎ:2歳になったらひとつがいの子どもを産む。3歳になってもひとつがいの子どもを産む。4歳になったら死ぬ。ふつう

このような条件でn年目の地球うさぎの総数を E n と表すと、もういろいろ省くけどさっきのフィボナッチ数列に似た数列になって、

 E n+3 = E n+1 + E n (n ≧ 2),

 E 1 = E 2 = 1, E 3 = 2, E 4 = 3

とかそんな感じになって、もうさらに適当に投げると、どんどん等比数列に近づいていってその公比はだいたい 1.325 になる。

さてこのとき、いままでに存在したすべての地球うさぎの数と、世界が滅ぶ予定のn年目(もちろん、このn年目っていうのがいつかはわからない)に存在する地球うさぎの数の比率を出してみるとなんと 67.5% っていうものすごい比率になる。これがどういうことかというと世界が滅ぶn年目に生きている地球うさぎは、いままでに存在したすべての地球うさぎのうち 67.5% ということだ。きみはどの地球うさぎにもなる可能性があったわけだけど、そのうち 67.5% に当たってしまうときみが生きているときに世界が滅ぶことになるってことになる。これは由々しき事態だと思わない?

ただし

ただし、この話が成り立つために必要な仮定を認めちゃうことと、無限連鎖講ビジネスモデルを認めちゃうことはだいたい合ってるんだけどとりあえず投げとく。

  • 細かいことはよくわかんないけど、世界が滅ぶのがN 年目としたら、 N年目の地球うさぎの数=(N-2年目の地球うさぎの数)+(N-3年目の地球うさぎの数) でしょ? そしたら、N年目の地球...

    • 地球うさぎの寿命は4年間なので、たとえばN-3年目に生まれた地球うさぎはN-3年目でもN-2年目でもN-1年目でもN年目でも生きてるので重複してカウントされちゃいます。 いままでに存在し...

      • あーなるほど ところで、素人考えだけど、「世界が滅ぶ年」を「ねずみ講が破綻する時」と考えると、この話はむしろねずみ講に参加する人を引き止めるのに使えるような気がする

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