http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51333370.html
マイルドなインフレが望ましいのは、貨幣錯覚によって実質賃金や実質債務を切り下げて企業収益を上げる効果があるからだが、それは調整コストを節約するだけで大した問題ではない。
マイルドインフレ下の貨幣錯覚は少なくともプラスの効果をもたらすが、デフレ下の貨幣錯覚はどうだろうか。素人なりに考えてみた。
賃金について考えると実質賃金の維持のためには名目賃金の引き下げが必要ということになる。しかし貨幣錯覚がある以上、名目賃金の引き下げは従業員の不満を招くことになり困難。だとすると賃下げではなく新規採用の抑制に向かうと考えられる。つまりデフレ下の貨幣錯覚は失業率(特に若年者)の増大につながるわけで、これは日本の状況にも合致していると思う。
債務の場合には貨幣錯覚以前の問題で、物価連動債以外はデフレで実質債務負担が増えるため、新規の投資を抑制することになり経済にとっては明らかにマイナスになる。
これだけの問題がある以上、
デフレ自体は善でも悪でもなく、
などというのは誤りで、デフレ問題に全力で取り組むべきだろう。