「首相の言葉」重み欠く 普天間・献金、混乱招き自ら窮地に
【バリ=飯山順】鳩山由紀夫首相が自らの発言のツケに苦しんでいる。日米間の最大の懸案である沖縄県の米軍普天間基地の移設問題を巡っては、米側が首相が言及した日米首脳会談を歯牙にもかけず、計画が暗礁に乗り上げている。自身の偽装献金問題でも、これまでの説明が破綻。来年度予算の国債発行を「44兆円以下」に抑制する目標も事実上、撤回した。「軽い言葉」が首相の信任を揺さぶる構図だ。
「気候変動の大きな議論に相当の時間が割かれるので、簡単な話ではない」。首相は10日、訪問先のインドネシア・バリで、第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)首脳会合の際に目指していたオバマ米大統領との会談が困難だと認めた。普天間移設に関する政府の方針を大統領に伝える意向を記者団に明言したのはわずか3日前だ。結局「年内にどういう方針でいくか決めたい」と修正した。 (08:30)