「子供は命より大事よ。子供を産み育てることで自分も成長できると思うわ。
子どもに対する愛情ほどゆるぎないものは、私の中で他にないわ」
「旦那様のことも溺愛しているんですか?」
「大好きだけど、男として特別魅力を感じていたわけじゃないわよ。
大切にしてくれて、それでいて押しつけがましくなく、それが居心地よかったの。
私は仕事もがんばりたくて、尊重してくれたし。」
「男性として特段好きだったわけではない?」
一緒にいて楽で、この人だったら一緒に暮らせそうだと思ったから。」
「旦那様の子供だから愛しているわけではない?」
「そうね、お腹を痛めて産んだから、元の精子が誰のものだったかは関係ないわね。
旦那の子供じゃなくて私の子供よ。旦那も子供たち大好きだから、親としての本能じゃないかしら。」
「本能が『この人の子供を産みたい』と命令して結婚するわけではない?」
「そんなふうに結婚相手を見つけられる人なんてめったにいないわよ。
それで幸福になれるかどうかも別の話だし。」
「人間として、旦那様を好きだったわけですね。後悔はない?」
「幸せよ。もちろん倦怠期もあったわよ。子供だけでつながっているような時期もあったし。
だから子供はかすがいだし、逆に言うと鎖でもあるのね。」
「本能的に、誰かを愛したことはないのですか?」
「それがね。最近そんな人に巡り合ってしまったのよ。40手前にもなって。
相手は年下の、独身者なんだけど」
「恋愛しないの?」
「家庭を壊すことはできないわよ。でも、本当に、本能が、この人の子供を産みたいと思ってしまったわね」
「その人のことは諦める?」
「それがね、この間、一度、彼と体を合わせてしまったの。
私は家庭持ちだから、逆にそこで終わりなのよ。それ以上先に進んではいけないの。
悲しいけれど、いい思い出が作れたから、それでよかったんだと思うわ。」
「子供を作るようなことはしない?」
「しないけど、したらどうなるのか、
向ける感情が違うのかなっていうことはふと考えたわね。
実際には永遠に分からないんだけど、実験してみるのも面白いかと思うわね。」
年下の男性とも恋仲になれるのも納得できるほど魅力ある女性だった。
かつその欲望を理性で抑制している。
先に出会ったという理由で一生の伴侶となるのが合理的だとも思えない。
しかしそれを追い求めていたらきりがないし、
追い求めなくとも幸せになれるのだと思い、少し安心した。
欲望は際限ない。諦めることが幸せになることの秘訣である。
彼女が最後に提示した疑問。
そいつは最低の女だな。 ただの尻軽浮気女じゃないか。 自分だったら絶対にそんな女とは結婚したくない。
そりゃただのセフレだろ、しかも不倫 いい年して旦那に子供までいて、運命の相手だのほれたはれたのってアホかっつーの
つーか何でそんなにネカマ臭いの?出会い系サイトのスパムかよ。 創作?それとも聞いた話を脳内編集したらネカマになっただけ?