2009-12-03

 先日ちょっと、有給とは何かについて考える機会があったので、なんとなく自分の考えをまとめてみる。

 ことの起こりは、事務所のアルバイトの「有給って何だ。仕事していないのに給料支払わないといけないとか、意味ワカンネ」という発言に対し、とっさに気の利いた反論ができず、苦汁を嘗めた事なんだが…。

 この時、さくっときれいな反論ができなかった自分は相当社蓄脳っぽくなっててやばかったと思う。

 あと、パートタイマーの人がそんな経営者みたいな考え方・しゃべり方をするのを目の当たりにして、気が動転した。

 まあひょっとすると、ウチのアルバイト形態の人には一切有給の適用がないので(本当はそれも違法だが)、ねたみ心から出た発言というのもあったのかもしれない。

 で、有給に対する私の考え。

 労働者が法定どおりの勤務をずうっとずーっと続けていると、それこそ休みの日は文字通り休む日になってしまい、遊びに行くとか、趣味にふけるとか、そういうことが難しくなると思う。

 それこそ、生きるために働くのか、働くために生きるのかわからなくなると思う。

 だから、最低限、本当に自分のために使える時間人生の中で確保できるように、労働基準法ギリギリラインを引いて守ってくれているのだと思う。それこそ、最低限の文化的な生活とか、幸福追求権とか、そんなレベルの最低限の法律とつながる話だと考えている。

 正社員の多くはそうだと思うんだけど、月○○万みたいな感じの雇用契約を結んでいて、経営者はわかりやすい人件費コストとして、月給+交通費社会保険料脳内で積み上げているはず。

 二代目以降の、自分銀行まで納付用紙持って行った事のないアホな経営者は、社会保険料の事をよくわかっていなかったりするかもだけど。

 実際、年に何回の労働保険料経営者に見せたりすると、「何だよ、高ェな。畜生」みたいな顔をする。最初からある程度見込めたコストだというのに。不愉快顔される覚えはない。

 社会保険(今や社会保険厚生年金は、被扶養者がいる世帯にのみ旨みのある制度で、それ以外の多くの労働者アオリばっかりのクソ制度だが)と同様、有給だって義務なのだから、経営者は従業員を雇い入れるときに有給人件費コストとして見積もっておくべきだ。

 “従業員のみんなが働いている時、誰か一人がいきなり「有給使って休みます」というのに首を縦に振らないといけない制度”みたいな認識がそもそも誤りなのだ。

 たとえば、月給25万で雇うなら、雇用契約を結ぶ時点で、「一日換算で8,333円、半年後に10日分83,333円のコストとして…」という風に、包括的人件費費用対効果をみて人を採用すれば、頭の冷静な経営者なら、有給という単語を聞くたびにそんな苦虫を噛み潰した顔にならずに済むし、労働者側も遠慮が要らなくなる。例えば、貸倒引当金みたいに、従業員一人雇い入れるたびにそういうのを計上しないといけない仕組みにすれば、経営者意識も少し変わると思うんだけど(取り崩し方がちょっと特殊になりそうだが)。

 薄っぺらな結論で申し訳ないんだけど、人件費を見通せない(あるいは見通すのが面倒くさい)バカな経営者が、夏休み宿題を大量に残した小学生不愉快な気持ちを従業員に八つ当たり的に押し付けているせいで、有給を取れない社風を作っていると思うんだけど。

 この考え、どうかな。

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