力技だけど。
この手の挫折しまくっちゃった人、というのは挫折することに慣れていて、たとえ成功したとしてもどーせいつか失敗するにきまってる、だから失望する前に成功をけなしとこう、という不幸な思考ルーチンができあがっている。
と、どっかの漫画のせりふにあったが、まさにそれ。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もいやっっってほど挫折してると、もう、幸せになるなんて事態が信用できない。絶対に裏がある、と疑ってしまう。今手にいれた幸せは本当のもんじゃない。それは誰かに奪われたもので、絶対に帰ってこない。そう考えていれば成功を失っても傷つかなくて済むし、永遠に誰かを憎んでいられる。
本当はその幸せが欲しかったんじゃない。その幸せを奪われたことが憎かっただけ。奪った相手は誰だかわからないけれど、自分が不幸だったとき幸せだった人がいる。そのことだけで憎い。
ところが、日本人の精神構造的に「敵討ち」という考え方はなじまない。たいていは「憎んだ相手より幸せになれ」という、しょーもないアドバイスを戴くだけである。だから逆に物語としてのあだ討ち物ははやってたのだ。物語の中で、主人公に仇を討ってもらうことでカタルシスを得ていた。
今となるとあだ討ちものははやらないし、許してやれとかいう博愛精神がまかり通っている。本音と建前を知らない人は憎しみを昇華できない。
で、ネットの片隅でうさ晴らしをしている。それでもその程度じゃ収まらない。いらいらは永遠に続いていく。
こういう人を更正させるにはそれこそ百万倍ほど成功体験がいる。もう世界中でその人の記念日を毎日作って、道を歩けば感謝され、世界中の異性にもてまくり、ってくらいのレベルの成功体験がいる。
トーマの心臓では傷ついたユーリを助けるのにトーマの命が必要だった。傷ついた心を癒すには人の命くらい捧げないと癒されないのかもしれない。
で、そんな大変なことできないので、手っ取り早く精神科に言って薬もらってきたほうが早い。
単にストレスで脳の回路がショートしてるだけなんだから、潤滑油を入れるのと代わりがない。
もちろん、薬の処方をしすぎない、いい医者を選ぶのが当然の前提ではあるけれど。