2009-09-29

本物とワナビが付き合ってしまった話

大学入って暫くくらいまでゲーム業界ワナビだった。一番こじらせてたのは高校の頃で、グラフィックがやりたくて美大受験勉強をしていた。上の兄弟病気して、自分が働き口のある分野を専攻する必要に迫られたのでアトリエをやめて受験の方向転換をしたらさすがに諦めがついたのだけれど、それでも大学の専攻をなんとかゲーム業界につなげられないかと悩んだりした。それも、過去の話。熱が冷めるにつれ全然ゲーム業界にはこだわらなくなり、別の夢を追い始めて、やっとこさ少しだけ日の目を見るようになった。

ところが最近恋人が出来た。ネットで知り合ったその人はゲーム会社でばりばりやっている人だった。

私はその人がゲーム業界の人だから好きになった訳では勿論ないし、その人のどこが好きかという意味じゃゲームと関係のないことばかりだ。でも、姿の見えるなれそめで知り合っていたら、ゲーム業界の人だと知っていたら、今なら敬遠しただろうと思う。

その人の仕事に関わる話題になるとどうしようもなく胸がざわざわする。忘れたはずのルサンチマンがよみがえってきてきて落ち着かなくなる。大好きな人のはずなのに。その人が業界に入ったルートが「学生時代にとあるゲームをものっそい勢いでやりこんで攻略サイトを公開していたら、攻略サイトの文章のウマさを買われてスカウトされた」なんていうシンデレラストーリーだからだろうか。たとえ恋人であろうと仕事上の名前を明かせないとかの守秘義務が「本当に業界の人なんだ」という実感を沸かせてしまうからだろうか。

多分全部だ。大まかには把握しているけれども勤めているメーカー名すらも明言してくれたことはないし、オフィスがどこなのかも知らない。過去情報漏えいで騒ぎになった部門らしく、その名残を受けてセキュリティでがちがちなのだという。恋人は、仕事帰りに待ち合わせて食事をすることすら嫌がる。まぁ社員証とか書類とかを手元に持ってる状態で会いたくないんだろうと理屈では分かるのだけれど。

恋人のことはすごく尊敬しているし、いい作品を世に送り出してほしいとも思っている。でも、自分が夢を諦めた人間であることが恥ずかしくなる。自分がどうしようもなく矮小人間に感じて(私には私の専門の技能があるのだけれど、恋人はその分野にも多少造詣があって、私が圧倒的にぬきんでているとは言えない)、自己嫌悪でドロドロとした気持ちになる。

結婚約束がある恋人恋人結婚に先立って転職をする。先細りのゲーム業界にいて結婚生活を維持するのは不安だから資格を取って資格職になるのだと。私との結婚をそこまで大事に思ってくれているのかという喜びもある。もう一つ、もやもやしないで済むようになる!というどす黒い喜びもある。あと、結局仕事のことは何一つ教えないままで通そうとするんだろうな(当たり前なのに)というあてつけがましい怨嗟がある。

そしてまた自己嫌悪。ごめんなさい、感情で物を考えてビキビキしててごめんなさい。私は私の技能を磨きます。そして、結婚したらいい嫁になり母になります。だから、もう少しだけ自分子供っぽい部分と戦う時間を下さい。

  • どこのコピペ……と思ったんだけど検索しても見当たらないから新作なのかな。 その彼氏絶対ゲーム業界にいないから!嘘がいい加減誤魔化せなくなって転職したことにしようとしてる...

    • 元増田です。 割とガチ。コピペじゃないよ。で、「仕事嘘じゃね?」っていう発想はなかった。仕事の話自体切り出しづらかったんだけど、発想が新しかったので思い切って聞いてみた...

      • 状況が打開されたならなにより。 でもゲーム業界で仕事上の通り名を使ってるとかまずないし(同人とかで既に名を上げてた絵師や作曲家やライターの人とかならともかく……)、「攻...

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