2009-08-02

母親と祖母の事が長らく怖かった。

どちらも欠点も美点もある普通の人で、別に暴力を振るわれたり、理不尽な目に逢ったりした記憶はない。私は単純に、家族内で力関係が上位の人に怒られるのが、怖かったのだ。

数年前に母は死んだ。それを契機に祖母は認知症が進み、施設に入所した。今は私が訪ねて行っても、ほとんど話が分からない。

もちろん悲しくもあったが、同時に私は心から安堵している自分に気づいた。

私を怒る人は居なくなったのだ。

失敗しても、くじけても、だらしなく過ごしても、人並みに生きられなくても、役立たずでも、私の人生は私のものである。

その認識は徐々に、数年かけて私の中に根を下ろした。

こんな事は、本当なら、大人になる過程で気付くべきなのだろう。それが親離れというものだ。

でも私は、母が健在だったら、きっと今も親離れが出来ずにウジウジしていたに違いない。こういうきっかけ無しに親離れできた人は凄いと思う。

お母さん、おばあちゃん、私はあなた達が期待したような人生は多分歩めないけれども、死ぬまではどうにか生きようと思います。

親(婆)不孝でごめん。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん