2009-06-11

グアンタナモ基地のウィグル人(アルカィーダ)17人の移送先パラオ大西洋島嶼国家)が受け入れを表明

パラオジョンソン・トリビオン大統領は「米国から要請のあったウィグル人17名の身柄を暫定的に引き受ける」と10日に表明した。

「これはあくまでも人道的措置である」と付け加えながら。

米国は一月に発足したオバマ政権が「一年以内にキューバグアンタナモ基地を閉鎖する」という公約に基づき、拘束中のアルカィーダ容疑者らの移転先を検討してきた。

中国は彼ら全員の送還を米国に迫っていたが、ろくな裁判もない国には返還できないとして、最初の五人を米国アルバニア亡命させた。

グアンタナモ基地で拘束されている、所謂「反米戦闘員」のなかで、ウィグル人と見られるのは50人。

米国はほかの容疑者移転先を、およそ100ヶ国と密かに交渉してきたが、すげなく断られてきた。

というのも、中国が「彼らは中国の安全を脅かすテロリスト」と言って、100ヶ国に強く受け入れないことを要求してきたからだ。

この間、フランスイギリスが例外的に各ひとりを受け入れたが、ドイツは拒否した。

ドイツ国内には、「東トルキスタン独立」を主張するグループが複数あり、すでにウィグル人の社会もあるため、混乱を忌避したのだ。

豪にも少数のウィグル人の社会が形成されており、過去二回、米国要請を断ったが、いまのラッド政権は人道上、受け入れに前向きという(ヘラルドトリビューン、6月11日付け)。

パキスタンはアルカィーダと見られる被疑者らをそのまま中国に送還し、うち何人かは即刻処刑されたという。

パラオを選んだ最大の理由とは、台湾との外交関係

パラオは94年まで米国の信託統治、独立後、北京ではなく台湾外交関係を維持しているので、北京からの抗議をはねつけることが出来る。

パラオフィリピンの東800キロに位置する群島で主要な八つの島と250の小島、無人島からなる、人口二万人の「ミニ国家」。だが、難破船を救助し、「難民」を受け入れてきた歴史を誇る。

関係者は、パラオ定住ではなく暫定的措置で、そのうちに「容疑者」らを豪へ移住する予定ではないか、とみている。

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