どうせ死ぬんだったら、止めはしないよ。
止めはしないが、まあ、話を聞くと良い。いいかい?
まぁ、ちょっとくらい話を聞いてもよかろう?
どうせあとは、死ぬだけなんだから。
世の中ってのは、驚くほど、残酷に出来ていて、誰かが自殺しようと、変わらずに進んでいくんだよ。
結局、みんな自分勝手に生きてるってわけ。
だから、多少の事をやったくらいじゃ世の中は動かない。
おっと、人混みの中をトラックで走ったり、刃物を振り回せっていってるんじゃないよ。
そこは勘違いしないでおくれ。
で、だ。
今のこの国ではよっぽどのことが無い限り、餓死なんてしない。
鉄砲の球が飛んでくることも無いし、爆弾テロがおこることもそうそうない。
まあ、死のうと思ってる人にそんな事言ったってしょうがないんだけど、まぁ、そういうこと。
だから、たいていのことは許されるんだよ。ほら、ニートとかっているだろう?
あれは平和で豊かだから許されてるんだ。
そう、この国ではたいていの事が許される。
そして、たいていの事はみんな気にしてないんだ。
いちいち、誰がひとこと書こうが、ブックマークしようが、そんなもん誰も追いかけてなんかいないよ。
だって、興味ないんだもん。他人ごと。
でね。
君がいろいろ気にしてることがあるかと思うんだけども、それはそんなに大事なことかね?
あるいはおおごとかね?
いや、例えば、なんだけども、明日、会社行くのやめてみたらどうだろう?
面倒な人間関係があるのなら、いっそ切ってみてはどうだろう?
数日は寂しがられるかもしれないけれど、だからといって、それで相手が死ぬわけでも無ければ、ポストの色が黄色にもならない。
電信柱は相変わらず高くて、イチローはヒットを打つし、新幹線もだいたい時間通りに到着するはずだ。
あるいは、むかつくやつがいるかもしれない。
思いを伝えたくても伝えられない愛する人がいるかもしれない。
それらの人に、どうせ死ぬんだったら正直に思いをぶつけてみたらどうだろう?
もしかしたら、恋が実るかも知れないし、もしかしたら逆上して殴られるかもしれない。
恋が実ったらなにかすればいいんだし、殴られたんなら社会的に抹殺してやればいいだけのことだよ。
それで面倒なことになったって、どうせ死ぬんだから関係ないだろう?
会社やめたらどうなるか?
なにがあるかしらないけれど、どうせ死ぬんだから、なんかやってみてから死んでみてはどうかな?
なにもする気がしないって?
いいよ、とりあえず、ひきこもってみればいい。
ま、なんであれ、何かを思い切って替えてみても、意外と世の中には影響ないんだから、まずは替えてみてはどうかね。