http://anond.hatelabo.jp/20090329194927
スメル
バスに乗った私は一番後ろの席に座る。
理由は、「他人に後頭部を見られるのが嫌い。」だからだ。
何気なく外をみると彼が寂しそうにこっちを
見ていた。
彼は居なくなろうとはしなかった。
決断をしたのは私。彼を悲しませたのも私。
正しいか正しくないかは今の私にはわからない。
でもひとつの決意だと思い、後悔もしない。
そんな考え事をしていると前の席の小学生の
話が耳に入る。
「なぁ、お前の好きなやつ教えてよ」
「いやだよ。翔ちゃんこそ教えてよ」
「なん^で^だよwwwなんで^お^れな^ん^だよwww
おれが答^^える意味^ねえ^よwwwおれは^シ^ラフだよwww」
「翔ちゃん拒否りすぎwww」
ほほえましく思った矢先、私の考えとは裏腹に
言葉が先走っていた。
「カッ!」
小学生がこっちを見る。
私は続ける
「シャー!」
小学生がビクっとして前に向き直った。
昔から私は考えとは違う本能のような行動を
取ってしまう。
彼は「それは誰しも持っている資質であって、
君に限った事ではないんだよ」
といつも私に言ってくれたが、そのたびに
「ギャッザー!!シャー!ナイトギャッザー!!スィー」と私は答えていた。
慌てた表情で加速した。
「危ない!」と思った私は無意識に窓を開け
「あるぶるなるいるでるしるょるうるがる!
ひるきるかるえるしるなるさるいるブルン!」
と叫ぶ。
それを聞いた小学生が叫ぶ。
「はるちるがるとるぶるんだぁ!!」
もう一人の小学生が叫ぶ。
「しむらけんのだぁいじょうぶだぁ!!」
私も続ける。
「だぁ!だぁ!だぁめぇだぁ!」
心の中で「ダメだ」と「アメマ」が似ているなとフッと
思ったが良く考えたら「メ」しか合っていないので
「だぁめぇだぁ」の言い方次第なのだと気づく。
私はホッと胸を撫で下ろした。
乗車時に私に対して、小言を発した運転手が
後ろで騒いでいる私をバックミラー越しに睨み付けてきた。
私は歯をむき出した。
バスを降りるとき、どうしても運転手への苛立ちが我慢できない自分に
気づいた私は、仕返し、いや、恨み、怨念、と募らせてきた思いを
行動で表現することにした。
テトリスと共に彼の家から持ってきたもう一つ。
熊出没注意!と書かれたムササビの貯金箱である。
私はそれをおもむろに叩き割り、中に入っていた1円玉を
料金入れに流し込んだ。
「お釣りはいらないわ。」
私はバスを降りる。後方で徴収機の異音が聞こえる。
私はむき出していた歯を仕舞い、ニヤリと笑った。
私はこれから富士に向かう・・・。
スパイラル 家で少し眠っていると彼女が帰ってくる。 足音だけでわかる。いや、そもそも彼女以外に この部屋にくる人間など居ないのだ。 「起こしちゃったかしら」 彼女はそう...
http://anond.hatelabo.jp/20090329194927 スメル バスに乗った私は一番後ろの席に座る。 理由は、「他人に後頭部を見られるのが嫌い。」だからだ。 何気なく外をみると彼が寂しそうにこっち...
けっこうおもしろいよ。「ワッとなった」とかの語彙もいいと思う。
関係ないけど、歯ブラシがワッとなる磨き方をする人って、歯の側面を磨くときに、歯ブラシを横に(⇔の向きに)動かす人が多いと思うんだ。 これ全然磨けてないぜ。縦(↑↓)に磨...
食べかすがたまるのは歯の根元なのに横磨きだと全然取れないんだよね。 歯の根元に斜めに歯ブラシをあてて小刻みに縦に磨くと汚れが落ちる。