ニートのような家事手伝いをやっている。家業を週に数日やるだけ。いちおう大学に学籍はあるが、多留中。父親は昔から俺を物としてしか扱わない。結局思ったとおりに行動してくれれば、自分が許せる範囲の中で生きていれば、それでいいのだ。むしろ許容範囲外の行動は許さない。
幾らかの自立心が残って入ればよかったのだが、兄がそれをしたのでもういちど茶番をすることはできなくなってしまった。俺のなかで。自分を軽く扱うものから自立する為の行動は、傍から見ると非常にみっともなく、茶番にしか見えないけど、茶番こそが重要だと気がつくのはできなくなってからだ。そんなわけで、今では離れて暮らす父親と兄の関係はそこそこ良く、保護下にある俺との関係は悪い。片方は手放したけどもう片方は手元に置かれている感じ。
もっとも、父親はこの関係性を俺がどれだけあるべき姿から離れていると感じているかわからないし、俺との関係も悪いなどとは思っていないように見える。そのうち勝手に自立して家を出ていって、呼べば帰ってきて家業を手伝うだろう、そんな風に考えてるように見える。それで俺はどんどん無気力になる。
俺は父親に甘えてる。父親は俺に精神的に甘えてる。このまま自立できないまま何年も過ぎて、ひどい破局が来るんだろうか。