もはやジブリの黒歴史となってしまったゲド戦記(映画)。映画のゲド戦記の主人公のアレンは、どう見ても、少年犯罪の凶悪化を念頭に作られている。(原作は違うらしい)で、同じように、少年犯罪の凶悪化を念頭に作られている代表的なキャラが、エヴァンゲリオンの碇シンジ。一方は黒歴史、もう一方はアニメ界に歴史を作った大ヒット。何が違ったのだろうか。
まぁ、ぶっちゃけて言えば、ストーリーや時代を考えると何もかも違うから比較のしようがない、という意見ももっともなのだけど・・・あえていえば、ゲド戦記のアレンは「全く共感できない主人公」であるのに対し、エヴァンゲリオンの碇シンジは、「そこそこ共感できる主人公」なのだ。なぜって、アレンは、作品の冒頭で父殺しを行った上、その理由が映画の中でとうとう説明されないまま話が終わる。一方の碇シンジは、性格的な問題は多少あるものの、ちゃんと殺人行為に激しく抵抗する。同じようなキャラに見えて、やっていることが全く違うのだ。
結局、主人公に全く共感できない話というのは、受けないのだと思う。ゲド戦記は、アレンの父殺しの設定を入れなければ、まだ、救いがあったかも知れないのに、と思えてならない。