今社会問題化しているのは、単純労働への派遣業務または非正規雇用契約者の話。
その中でも特に、工場などの生産現場への派遣社員、契約社員、果ては偽造請負の話だと思う。
技術系派遣が、正社員よりもたとえ一つでも高いスキルを持っていないとやっていけないだろうというのは同意。技術系派遣ははっきり言って正社員を一人雇うよりよほどコストが高い(場合によっては2,3人分ぐらいは飛んでいく)ので。ただピンハネ率も高いので最終的に本人にどれだけ金が行くかは知らないが。
ただ、生産現場への派遣や契約社員などは、正直言って今時ならすごくマニュアル化されたいくらでも代わりが聞くような仕事ばかりだと思う。だから企業側も簡単に解雇する。確かに本人達は「その業務のスペシャリスト」を自認するだろうけれど、一ヶ月程度訓練すれば誰でもできるような仕事ばかり。というか今時の工場ならばそこまでやっていないと立ちゆかないと思う。
高い技術を持った人はコストも高い。だが、熟練工はいろいろとうるさく使いにくい。
だからどうするかというと高い技術がいらない、熟練もいらない仕事にする。マニュアル化し、コンピュータシステムで手取り足取りその通りにやればできるような仕事、だれでも作りやすいように計算し尽くしてシミュレーションして設計する。こうして熟練しなくても技術が無くても仕事ができるから、誰でもできる仕事を、技術も熟練もいらない仕事をひたすら安くということになってきた。(そうしたことを企業側はわりとしっているから、派遣期間、特に工場の現場系での派遣を職歴として認めないなんてことも起きる。)そう言った現場だと、逆に妙な熟練や、妙な知識を持って欲しくない、ないほうが使いやすいなんて考えがあったりするんじゃなかろうか。