どういう順番でなにをするかを間違えなければ、個々の作業が遅くても、ミスしても誤差でしかない。
取り返しのつかない事態を遠ざけ安定して仕事をするには、段取りさえ間違えなければいい。
段取りを策定するときは、楽をするにはどうすればいいかを徹底的に考える。
普段からも折に触れて楽をするにはどうすればいいかを考え、段取りをブラッシュアップしていく。
楽ができるようになり余裕が生まれると、自然と頭が働き出す。
楽するためのさらに効率的な段取りを思いつき、好循環に入る。
ここ数週間で、人生ではじめて仕事をつつがなくこなせるようになった。
なんでいままで嫌だったり苦しかったりすることを放置していたんだろう。
楽をするにはどうすればいいかを真剣に考えはじめることができて、ほんとうによかった。
会社に入って1年と少しで辞めた。
まったく仕事ができないし、先輩の説明も頭に入らなかったからだ。
仕事ができずに所在のない苦しみから解放されるには自殺しかない。
でも自殺できなかった。
自殺するときの苦しみを恐れる自分をなんとか説得しようとしたけどだめだった。
楽になりたくて自殺したいのに自殺できない苦しみ。この苦しみから逃れたい。
自殺せずに楽になるしかない。そう思った。
突破口は、確実にできることが少しずつ増えてきたときに見えた。
確実にできることをしている最中、その作業を余裕を持ってメタ視点で眺めることができる。
作業のあとで考えるよりも、作業している最中のほうが臨場感があるので意欲を持って分析できる。
聞きなれたCDを前のめりで聞くなんてしないけど、ライブに行けば前のめりになる。
そんな感じで前のめりで楽にできることがないかチェックしたら、もっと楽ができる段取りが見えてきた。
これが好循環の始まりだった。
正直、レベルの低い話をしているんだと思う。
こんなことを書いておきながら、頭がまわらなくなって段取りを見失うことも少なからずある。
苦しいことが減ったとはいえ、なくなったわけではない。
自殺への想いが跡形もなく失せたわけでもない。
でも、仕事ができずに職場で居場所がない苦しみが激減したことだけはたしかだ。
楽への欲求があるかどうかがこれほどまでに大事だとは知らなかった。