あれは今から十数年前、京都で起こった出来事です
タイトルは忘れましたが、劇場版ドラゴンボールを友人数名と映画館に観に行ったときの話です
私の左には友人が右には母親と来ていた子供(小学校低学年)が座っていました
その子供は興奮しているせいか母親に大声で目の前の映画の内容を実況していて
優雅にドラゴンボールを楽しみたい私は少しイライラしていました
その映画では悟飯がピンチになり、さっそうとピッコロさんのマントが翻る場面があり
横の子供が「ピッコロ来た!」と嬉しそうにまた大声ではしゃぎます
「なんでやねん」と仲間内で薄ら笑いが起こり、まあこのボケならこんなもんかなと満足していたのですが
友人から「おまえネタバレすんなよー」と非難轟々でした
「いや、ボケたつもりだったんだけど」いくら弁解しても疑いの目は晴れません
しかし、子供だったこともあり、予知能力だ!自分には超能力がある!と
右手をじっとみては"気"を溜めたりして、非難されたことを気にも留めませんでした
ふと、右側からなにか凄い視線が送られてくるのに気づき
顔を向けてみると恐ろしいほどの眼つきで睨まれているではないですか
さっきまであんなにはしゃいでいた子供がものすごい大人しくなっていて
信じてください
私は本当にクリリンだと知らなかったのです
パンフレットも見ていません
ボケたつもりだったんです
「クリリンが来た」
「なんでやねん」
「イヤ、クリリンやって」
「緑色やん」
と、言う会話をシミュレーションしていただけなんです。(一つ目の反応が悪くて失敗しましたが)
でも、ボケたかったんです
一つ目は仲間内に面白いやつだと思われたかったのと
二つ目はシミュレーション通りに会話が続くと子供は我々にうるさいなと抗議の目を向けてくるはず
そこでキミがしていたのはこういうことなんだよ、とビックリするほど遠回りに諭そうとしたのです
十数年が経った今でも、あの時の親子の落胆振りが目に焼きついて離れない
母親はドラゴンボールに興味なさそうだったが息子が楽しそうに観て、興奮して、自分に話しかけてくるのを凄い嬉しそうにしていた
それがあの不用意な一言で・・・・
今では何かを発言する前にこの言葉が聞こえる人にはどう影響するかを考えてからにしています
考えすぎて喋ろうとしたときには次の話題に移り友人からは寡黙な人、無口な人となりました
これで私の懺悔を終わります
皆さんも年の終わりの垢落とし
懺悔してはいかがですか