無責任な飼い主減らせ、自民議連が「ペット税」導入論
自民党の動物愛護管理推進議員連盟(会長=鳩山総務相)は、犬や猫などの飼い主に課税する「ペット税」の導入に向けた議論を近く開始する。
動物を飼ってもすぐに捨ててしまう飼い主を減らし、ペットを取り巻く環境改善につなげる狙いがある。議連では、ペットを購入する際に一定額の税金を全国一律で課すことを想定している。
近年、ペットの飼い主が「飼うのに飽きた」などといった安易な理由で、ペットを捨てるケースが増えている。2006年度末時点で全国の自治体に引き取られた約37万4000匹の91%が殺処分され、社会問題化している。
環境省はペットの引き取り数を17年度末までに約21万匹に抑える方針を打ち出しているが、財政難にあえぐ自治体は十分な対策を講じる余裕がないのが現状だ。この自治体の対策費の不足分を補う財源として、ペット税が浮上した。
ペット税の税収は、〈1〉ペットと飼い主の特定につながる鑑札や体内埋蔵型マイクロチップの普及〈2〉自治体が運営する動物収容施設の収容期間を延長するための運営費〈3〉マナー向上の啓発運動費用−−などに充てる方向だ。
議連では、「ペット税導入には、動物愛護団体からも前向きな声が寄せられている。飼い主ばかりではなく、ペット業者にも『大きく育ち過ぎたから処分してほしい』といったモラルの低下が見られるという。新税導入で殺処分減少に効果があるかどうか、検討したい」としている。
(Yomiuri Online)