2008-12-07

子が親を超えてくれないことへの歯がゆさ が 子どもを潰す

今、家庭教師医者の子を面倒みている。

小学校高学年だが、口だけは一丁前のくせに勉強スポーツも苦手。

趣味は特にない模様で、友達とゲームしたりして遊んでる普通の子。

特に障害らしいものも無い。

が、大問題があって、

親はやはり開業医なだけあって、子ども医者にしたいらしい。

しかし、私の小学校時代から見ても、お世辞にも「できる子」とは言えない。

むしろ分数の四則計算や割合の文章題がとんでもなく苦手で、

国語の文章をとおして読むのが苦手。拾い読みばかりする。

教え始めたころは小数の割り算が出来ないくらいだった。

「どうしてここまで放置したんですか?」と親に聞いたくらい。

しかし、それでも某有名学習塾に突っ込んでたらしい。

ついていけなくてドロップアウトしたとのこと。

通っている小学校レベルが高い。

なんだかんだと世話を焼き、ようやっと普通に算国は取り組めるようになってきた。

このまましっかり勉強すれば(本当に人の何倍も努力しなければならないが)

医者になることも不可能でないように思える。

しかし、私には「絶対に無理だ」と言える根拠がある。

それが親だ。

私のような若造が何を言っても無駄だと思って、雇われ講師をしているだけだが、

圧倒的にその子の今の状況を招いたのは親の問題である。

父親の医院母親が手伝う形となっており、

母親は週の半分以上、日中家にいない。帰ってくるのは夜。

それだけならいいが、

母親が有名校であることや医者の家庭であることに過度に敏感になっていて、子ども資質本質、気持ちを全く理解できていない。

全く褒めることをせず、テストで80点でも「1番でなければ意味は無い」と子どもに言うような母親だ。

また、主要教科以外は全く評価せず、図工や家庭科の「よくできました」には見向きもしない。

子どもが私に家庭の話をしてくる際にほとんど母親愚痴で占められるのはどういうことか。

母親にしてもその子が医者になるのは無理だと悟っているところもあり、

現在は比較的よくできる下の子の世話にやっきになっている。

その子は母親から放置されているせいか、

何事にもなげやりがちで、「どうせ〓じゃん!」などというのが口癖のようになっている。

このままでは学校の友人関係にも障りが出かねないようなまでの根性の曲がり方をしてきつつあるのだ。

この仕事をやってきて思うのは普通、「出来る奴には出来ない奴のことがわからない」ということだ。

親にしてみれば自分らが出来ることが子に出来ないのが理解できないのだろう。

だから「なんで頑張らないの!」と必死になる。

自分が出来るから、出来ない側が頑張る方法を知らないので、

とにかく「頑張れ」と言う。

それでは溝は深まるだけだ。

出来ない側の「そっちは出来るからわかるんだろ!」という論理を許すことになる。

出来ない子が何故出来ないのか、何が出来るのかをしっかりコミュニケートして理解し、道を指し示すのが親であるべきなのではないだろうか。

決して子ども自分の思い通りになるはずがないのだから。

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