家の鍵を会社においてきた。
部屋には当然入れない。終電も終わったので会社に取りにも行けない。
始発まで待つしかない。時間つぶしに近所のバーに入ってみることにした。
バーに一人で入るなんて実は初めてだ。おどおどしてるのも変なので、カウンターの端に座ってウイスキーを注文する。
バーテンと店長が代わる代わる話しかけてくれる。端においてあるフライヤーを眺めながら、ゆっくりと話する。
他の客は2人以上の組ばかりだ。音楽に耳を傾けてると寂しそうな僕のことを気にして、隣の女の子が話しかけてくれた。
自分の知らない音楽の話をしてくれた。僕は昔の知識を思い出しながらなんとか会話を返していた。
そんなこんなで2時間たち、その子たちは帰って行った。
また暇だ。バーテンがまた話しかけてくれるけど、やっぱり手持ち無沙汰。客も少なくなった。お酒を何種類か飲んでみる。
店の奥で女の子二人が帰ろうか話している。酔った勢いもあって一緒に飲みませんか?と声をかけてみた。
おごりますよ、と言ったら、返事は「ありがと、私の体で返すね」。ごく普通にさらりと言ってのけた。
おや、即お持ち帰り系か?相手は全然趣味ではないけど。今まで経験がない訳じゃないし、ついでに朝まで寝させてもらおうと思った。
「いいね、お持ち帰りしてよ」帰れない理由を教えた。
「そうね、お持ち帰りね」「いいね、すぐ出る?」「あとでね、ところで・・・」
こんな感じでちょっとした趣味の話だとか仕事の話だとか軽くしていた。
このとき、女の子が嘘をついた。虚勢を張るための嘘自慢で、ばれたらお互い気まずくなるような嘘だった。
ついた嘘のことは僕のほうがずっと詳しく知っていることだったので、すぐにばれ、案の上気まずくなった。
なんでこんな嘘つくんだろう?
するとしばらくして彼女は帰ると言いだす。「えー、泊めてよ!」と追いかけたけどその子は本当に帰ってしまった。
「泊めてくれるって言ったじゃん」と言っても聞いてくれない。まさか本当に帰ると思ってなかったので追いかけた自分は格好悪かった。
「本当に泊めてくれないの?」というと、こちらをさげずむような目でなに言ってんの?という顔をされた。
元の席に座ると店長がこっちを気持ち悪そうな顔して見ている。
いったい何なんだよ。空気悪くしたのはお前だ、早く帰れよ。みたいな顔して。
いったい何なの?体で払うからなんて初対面で言われたら普通に言葉通りに受け取るだろうよ。冗談なんだからスルーしろよってことか?
店員からもおまえは空気読めない、体目当てのゲスじゃねーか、というような視線を感じて追い出されるように店を出た。
こういうエッチなトークは真に受けると痛い目に遭う。でも真に受けないと少ないチャンスを逃す。
結局この店には二度といけなくなってしまった。
このとき、女の子が嘘をついた。虚勢を張るための嘘自慢で、ばれたらお互い気まずくなるような嘘だった。 ついた嘘のことは僕のほうがずっと詳しく知っていることだったので、す...
ruku 増田 『>体で払うからなんて初対面で言われたら普通に言葉通りに受け取るだろうよ。』 えー、そうなん? こ、これがおモテ様の思考か… いや、非モテ様(と言うかアスペ様...